選挙ポスターを探せ! 東京選挙区「31候補」コンプリートを目指して大捜索【後編】
候補者の本拠地を目指して
だがその後、いくら捜索しても、この3人のポスターは見つからない。ネット上での目撃証言などを当たっても、このお三方に関してはゼロに等しい。
「いや、しかしここで諦めては――」
選挙公報などを調べたところ、横堀さんは足立区に、ひめじさんは江戸川区にそれぞれ選挙事務所を構えていることがわかった。
ポスターが実在するとしたら、その近辺しかあるまい。

西日暮里から日暮里・舎人ライナーに乗り込み、降りたのは江北駅(足立区)である。すでに日は傾き、夕暮れが刻一刻と近づく。

駅から少し歩くと、そこには大きな団地がそびえたっている。住所を見る限りは、横堀さんの事務所はこの近辺にあるらしい。周辺をぐるりと歩いた。昔ながらの銭湯や商店と、工事現場の高いフェンスがコントラストをなしている。


横堀さんは、「ガン療法の自由化」などを主張してこの選挙に臨んでいるはずだが、活動の痕跡らしきものは見つからなかった。近所の掲示板にも、その顔はない。街頭のスピーカーから、かすれた放送が響く。
「5時30分になりました......外で遊んでいる子供たちは......早くおうちに帰りましょう......」