日本全国「好きなソース」総選挙！ 東のブルドック、西のオタフク、中部のカゴメ...イカリ、コーミなどのローカル強豪も

何かとあわただしい今日このごろだが、Jタウン研究所では政治とはまったく関係ないが、「好きなソース」の総選挙を試みてみた。

ソースという商品は、かなり地方性が強い。その土地ごとに支持されているソース・ブランドがある。

Jタウン研究所は約1か月にわたって、「好きなソースのブランドは？」をテーマに、都道府県別のアンケート調査を行った（総投票数885票、2016年4月26日～ 5月31日）。

はたして、その結果は――。

第一党・ブルドック、西が地盤のオタフク、中部はカゴメ

「好きなソースのブランドは？」という問いに対しての投票結果を、各県ごとの最多得票を色分けすると、上のような日本地図になった。

さらに、全国でのランキングを集計したのが、下記の表だ。

1位はブルドックソース、239票を獲得し、27％という高い支持を得た。ブルドックソースは東京都中央区に本社を置く、ブルドックソース株式会社が製造販売している。1926年設立というから90年続く老舗である。

ブルドックソースが最多得票となったのは、北海道（41.7％）、青森県（83.3％）、岩手県（71.4％）、宮城県（90％）、福島県（83.3％）など北日本から、茨城県（47.1％）、群馬県（62.5％）、埼玉県（55％）、千葉県（52.9％）、神奈川県（45.2％）など関東各県まで......。全国から人が集まる東京都は33.9％とやや数字は低いが、それでも首位を占めた。東日本は「ブルドック党」の勢力圏内と言えるかもしれない。

2位はオタフクソース、166票を獲得し、18.8％が支持した。オタフクソースは広島県広島市西区に本社を置くオタフクソース株式会社が製造販売している。お好み焼きソースが有名だが、商品バラエティも豊富で、販売エリアも全国に広げている。

オタフクソースが最多得票となったのは、本拠地である広島県（51.7％）、岡山県（57.1％）、山口県（50％）、島根県（100％）といった中国地方だ。香川県（66.7％）、福岡県（30.4％）でもトップとなった。また福井県（42.9％）と京都府（35.7％）でも、「オタフク党」が牛耳っている。「オタフク党」は西日本から、じわじわと勢力を伸ばしている。

3位はカゴメソース、141票を獲得し、15.9％に支持されている。カゴメソースはカゴメ株式会社の商品だ。愛知県のトマトを使用したトマトソースの製造からスタートしたが、現在は名古屋と東京に本社を持っている。販売エリアはもちろん全国規模である。

カゴメソースは、山梨県（100％）、長野県（50％）、静岡県（33.3％）、富山県（60％）、石川県（57.1％）、三重県（36.4％）などで、最多得票となった。こう見ると、「カゴメ党」は見事に中部圏を制していると言える。

上位3党、ブルドック党は東日本を、オタフク党は西日本を、カゴメ党は中部を、それぞれ地盤として強固な支持を得た。この3党が過半数を分け合っている。

大阪ではイカリ、愛知ではコーミ

そんな勢力分布の中で、関西・中部の中心都市で「第一党」となったのは、しかし別の勢力だ。

大阪府で最多得票となったのは、イカリソース（23.4％）だった。イカリソースは和歌山県（42.9％）、徳島県（100％）、高知県（100％）でもトップで、全国でも4位（84票、9.5％）。

イカリソースは大阪市福島区に本社を置くイカリソース株式会社が製造販売している。1896年創業という老舗で、「イカリ」のシンボルマークで有名だ。現在はブルドックソースの傘下に入っているとはいえ、「イカリ党」は手堅い地盤を持っているようだ。

また愛知県では、コーミソースが43.6％、カゴメソースが27.3％という結果となった。全国でも5位（60票、6.8％）。コーミソースは名古屋市東区に本社を置く、コーミ株式会社が製造販売している。「こいくちソース」に根強い支持があり、中京圏でカゴメと競い合う存在だ。このあたりは、全国区の人気を持つ上位3党とはちょっと違い、地域限定で無類の強さを誇るローカル政党、というイメージか。

さらにローカル色が強いところでは、地元・兵庫県で33.3％と首位を確保したオリバーソース。

また長崎県では、やはり地場の金蝶ソースが50％で最多となった。やはり皿うどんにかけるウスターソースとして、「金蝶党」の絶大な人気は揺るがないと見える。

県で1位にならないまでも、地域限定で強い勢力もある。広島で、31％と高い支持率にもかかわらず、2位に甘んじたカープソースがその代表と言える。地元で熱く声援を受ける、この「カープ党」のような存在も忘れてはいけない。