幻のソフト「舛添要一 朝までファミコン」を、秋葉原で徹底的に探してみた【前編】
あの舛添要一都知事が、かつてファミコンゲームになったことがあるらしい――。そんな話題が、編集会議で飛び出した。
その名も、1992年発売された「舛添要一 朝までファミコン」(ココナッツジャパン)。当時、気鋭のタレント学者として活躍していた「我らが大師匠舛添要一」(パッケージより)が監修を務めた意欲作だ。もちろん舛添氏本人もキャラクターとして登場、主人公の頼れる助言者として、ビジネスにまつわるさまざまな知識を伝授してくれる(なお、氏の当時の肩書きは「国際政治学者」。ビジネス関係ない)。
......まあ、どの辺に需要があったのか、よくわからないゲームではあるが、舛添氏の人物像を探るためにも、ぜひこの作品を実際にプレイしてみたい。
だが何しろ24年前のゲームである。果たして、入手は可能なのか。
今回、Jタウンネット編集部は東京・秋葉原に向かい、総力を挙げて「朝までファミコン」捜索に乗り出すことにした。
記者3人でソフト探索競争
ソフト捜索に挑んだのは、この3人である。
T編集長(29歳):トレードマークは探検帽。今も家ではファミコンで遊んでいる。
K副編集長(28歳):J-CASTマスコット「カス丸」の中の人としてもおなじみ。
S記者(25歳):今年配属されたばかりの大型新人。パンチ力は200キロある。
仕事をほっぽり出してきているので、制限時間は3時間。各人別行動とし、見つけたら即購入。成果は、編集部に戻って報告――というルールを決める。
T「見事、ソフトを発見した人が勝ちということで」
S「秋葉原でレトロゲームを売ってる店というと......?」
K「いやいや、そういう情報は相手に教えない方がいいよ(牽制)」
T「秋葉原だけじゃなくて、中野とかに行くのもありなんだよね。まあ、判断は各人に任せよう(牽制)」
T編集長と、K副編集長がお互い牽制球を投げ合う中、12時45分、捜索スタート。
専門店に向かう編集長、その先を越す新人記者
解散とともに、3人はバラバラに歩き出す。各人の戦略は――?
真っ先に北上し、末広町方面へと向かったのは、T編集長だ。
「まあ、レトロゲームには僕はちょっとうるさいからね。専門店ならいくつか知ってるし、速攻でそこを抑えていけば、まず楽勝ですよ」
まず入ったのが、中央通り沿いの「レトロげーむキャンプ」である。個人的にもよく行ってる店だし、品ぞろえの良さにも定評がある。
「いやー、ここでいきなり見つけちゃうと、原稿が成立しなくて困るなー」
そんな算盤を弾きながら店内を探すが――。残念、見つからない。
「くっ......まさか、Buzzfeedあたりがすでに動いているのか......?」
だが、こんなこともあろうかと「プランB」はすでに用意してある。このまま北へ向かえば、末広町のレトロゲームの名店「フレンズ」がある。そこまで行けば――。
お昼時でもあるので、ラーメン屋で軽く食事を済ませてから、末広町駅前の「フレンズ」へ。ところが、そこで待ち受けていたのは、
「あ、Tさん。ここなかったですよ」
「げえっ!」
フレンズの前で「あまあげ屋」の揚げ饅頭をぱくついていたのは、新人のS記者であった。
【後編へ続く】