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麹町の文具店「萬力屋」突然の破産...創業64年、編集部もお世話になりました

竹内 翔

竹内 翔

2016.04.22 11:00
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東京都千代田区の文具・事務用品販売会社「萬力屋」が2016年4月14日、東京地裁から破産開始決定を受け、閉店した。

麹町周辺の人々に親しまれた萬力屋だったが...(4月20日撮影、以下同じ)
麹町周辺の人々に親しまれた萬力屋だったが...(4月20日撮影、以下同じ)

......といっても、馴染みのない方にとってはあまりピンと来ないニュースだろうが、この一報が入ったとき、Jタウンネット編集部を含め社内は騒然となったのである。

「萬力屋がつぶれてましたよ......」
「ええっ?!」
「あそこの角の!?」

入社して初めて、文具をそろえた店でした

麹町のランドマーク的な存在だった
麹町のランドマーク的な存在だった

同じビルには弁護士事務所などが多数入居している
同じビルには弁護士事務所などが多数入居している

萬力屋は東京メトロ麹町駅前、新宿通りに面した角に建つ、ひょろりと背の高いビルの地下2階~地上1階で営業していた。

文具業としては1951年4月の創業だが、2003年の新聞記事によれば、「100年以上前から筆、紙、墨や障子紙、半紙などを商ってきた」歴史があるといい、一帯を代表する老舗というべき存在だった。一般的な文具からオフィス用品、また過去にはお弁当の販売なども手掛けていて、店の規模、品ぞろえなどの面から見ても、近隣の「一番店」といってよかっただろう。

豊富な品ぞろえを誇っていたが
豊富な品ぞろえを誇っていたが

実はJタウンネット編集部(とその所属するジェイ・キャスト)は、この萬力屋から徒歩5分弱の距離にある。ちょっとした文具などが必要になったときには、ひょいと出かけて、ここで買い物するのが、少なからぬ社員の日常だった。

「これ...」と同僚編集者がくれたのは、500円ごとにもらえた50円分のサービス券。社員の机には、多く眠っているはずだ
「これ...」と同僚編集者がくれたのは、500円ごとにもらえた50円分のサービス券。社員の机には、多く眠っているはずだ

これを書いている私自身、5年前に新人記者として入社した際、この店でハサミや先輩編集者から勧められたカッター、そのほか諸々の文具を買いそろえた思い出がある。4月の頭にもここで朱肉を買ったが、それが最後の買い物になってしまった。

破産宣告直前に訪れたときには...

実はJタウンネットで先日公開した「わら半紙」を特集した記事でも、編集部が最初に探しに行ったのはこの萬力屋だった。しかも担当記者のAくんが店を訪ねたのは、14日の16時ごろ。破産宣告が出て、店が営業を終えたのがこの日の17時だったから、本当に閉店直前のタイミングだったのである。Aくんによれば、店内には特に変わった様子はなかったというが......。

カーテンが閉ざされて内部の様子はうかがいしれないが、ほぼ手つかずなのではないか
カーテンが閉ざされて内部の様子はうかがいしれないが、ほぼ手つかずなのではないか

ポスター類もそのまま
ポスター類もそのまま

シャッターの降りた出入り口には、無造作に自転車が放置されている
シャッターの降りた出入り口には、無造作に自転車が放置されている

東京商工リサーチによれば、近年は販売不振が続き、売り上げは全盛期の約5分の1にまで落ち込んでいたという。約1億円の負債を抱え、ついに力尽きたようだ。

入り口に管財人の弁護士名義で貼りだされていた紙
入り口に管財人の弁護士名義で貼りだされていた紙

突然の閉店。立ち止まり、ドアの前まで近づいて張り紙をしげしげ見つめる人が少なくなかった
突然の閉店。立ち止まり、ドアの前まで近づいて張り紙をしげしげ見つめる人が少なくなかった

ツイッターでも、紀藤正樹弁護士など少なからぬ人が、その閉店を惜しんでいる。

今まで、本当にありがとうございました。

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