麹町の文具店「萬力屋」突然の破産...創業64年、編集部もお世話になりました
東京都千代田区の文具・事務用品販売会社「萬力屋」が2016年4月14日、東京地裁から破産開始決定を受け、閉店した。
......といっても、馴染みのない方にとってはあまりピンと来ないニュースだろうが、この一報が入ったとき、Jタウンネット編集部を含め社内は騒然となったのである。
「萬力屋がつぶれてましたよ......」
「ええっ?!」
「あそこの角の!?」
入社して初めて、文具をそろえた店でした
萬力屋は東京メトロ麹町駅前、新宿通りに面した角に建つ、ひょろりと背の高いビルの地下2階~地上1階で営業していた。
文具業としては1951年4月の創業だが、2003年の新聞記事によれば、「100年以上前から筆、紙、墨や障子紙、半紙などを商ってきた」歴史があるといい、一帯を代表する老舗というべき存在だった。一般的な文具からオフィス用品、また過去にはお弁当の販売なども手掛けていて、店の規模、品ぞろえなどの面から見ても、近隣の「一番店」といってよかっただろう。
実はJタウンネット編集部(とその所属するジェイ・キャスト)は、この萬力屋から徒歩5分弱の距離にある。ちょっとした文具などが必要になったときには、ひょいと出かけて、ここで買い物するのが、少なからぬ社員の日常だった。
これを書いている私自身、5年前に新人記者として入社した際、この店でハサミや先輩編集者から勧められたカッター、そのほか諸々の文具を買いそろえた思い出がある。4月の頭にもここで朱肉を買ったが、それが最後の買い物になってしまった。
破産宣告直前に訪れたときには...
実はJタウンネットで先日公開した「わら半紙」を特集した記事でも、編集部が最初に探しに行ったのはこの萬力屋だった。しかも担当記者のAくんが店を訪ねたのは、14日の16時ごろ。破産宣告が出て、店が営業を終えたのがこの日の17時だったから、本当に閉店直前のタイミングだったのである。Aくんによれば、店内には特に変わった様子はなかったというが......。
東京商工リサーチによれば、近年は販売不振が続き、売り上げは全盛期の約5分の1にまで落ち込んでいたという。約1億円の負債を抱え、ついに力尽きたようだ。
ツイッターでも、紀藤正樹弁護士など少なからぬ人が、その閉店を惜しんでいる。
麹町4丁目の(株)萬力屋が倒産したのには驚いた。金券はどうなってしまうのだろう>/破産開始決定 https://t.co/gjDsy9EGHf https://t.co/SRe1HCut58
— 紀藤正樹 MasakiKito (@masaki_kito) 2016年4月21日
萬力屋が破産とか...麹町唯一(自分調べ)のまともな文房具屋が...割引券結構持ってたんだけど使いそびれた...
— Co-hey M. (@matzkyodo) 2016年4月19日
(株)萬力屋(東京)/破産開始決定 https://t.co/AYfN4VTnL1
麹町のランドマーク、文房具の「萬力屋」が倒産...S店長には大変お世話になりました。地震も終息の色が見えず、何の被害も無い私が弱音を吐いてはいけないけれど、明石家さんまさんではないけれど「生きてるだけでまるもうけ」と思わないとやってられない。九州の一日も早い復興をお祈り致します。
— アドエンのアベ (@aden_web2015) 2016年4月21日
麹町のハンズ、萬力屋さんが閉店しちゃってた。。。それで、山下書店が文具を始めたのかなぁ。寂しくなります。
— emiko kato@いつもの (@ORANGE4GREEN) 2016年4月20日
今まで、本当にありがとうございました。