1300円から貸切OK、ウサギもいる!... 秋田・大館のレトロ映画館「御成座」に、電話で話を聞いてみた
秋田県大館市と聞いて、すぐにピンとくる人は少ないかもしれない。秋田県の北部に位置し、青森県に接している。鉄道は、奥羽本線が秋田から青森に向かって延びている。国道は北は青森方面に向かっており、弘前市へ約1時間で行ける。また東に向かい、東北自動車道を利用すれば、岩手県盛岡市へ約2時間で移動できる。
秋田犬の産地としても知られており、あの「忠犬ハチ公」の故郷でもある。比内鶏やきりたんぽも特産品。また秋田杉を素材とした伝統工芸品「大館曲げわっぱ」も名産のひとつだ。
この大館市にあるレトロな映画館「御成座」(オナリ座)が、いま話題となっている。2016年3月8日、次のような写真付きのツイートが投稿されている。
超レトロ(レトロ風じゃなく築60年程のほんものレトロ)の映画館、普通に上映もしてるけど、2時間から一般の人が貸切でき、カラオケでもゲームでもライブ映像でもなんでもオッケー!だそうで...!?
— ぽるた (@polec167) 2016年3月8日
お値段ひとり1300円(?????) pic.twitter.com/UleK0TvPjo
写真は、昭和の香り漂う「御成座」の館内だ。「超レトロ(レトロ風じゃなく築60年程のほんものレトロ)の映画館」というコメントも添えられている。また「一般の人が貸切でき、カラオケでもゲームでもライブ映像でもなんでもオッケー!」だという。いったいこれは、どういうことだろう?
Jタウンネット編集部は早速、電話で確かめてみることにした。
コンサートなど音楽イベントにも活用される
電話口に出て話してくれたのは、代表の切替義典さんだ。「本業は電気通信の工事会社なのですが、千葉から移住してきた大館市で、事務所として借りたのが、この元映画館だったのです」と切替さん。「借りた後に、映画館だったことを知ったのです」
御成座は、1952年に洋画専門のロードショウ館として開館し、50年以上市民の映画館として親しまれていた。しかし2005 年の閉館以来、活用されないまま、数年が経過していた。事務所として借りたはずの切替さんも、「このままではもったいない、なんとか映画館として再生できないか」と地元の人々に声をかけ、2014年、復活を実現した。
「ドルビーSRD-6chの音響施設を増設し、アルテックA-7、A-5スピーカーシステムも導入しました」と切替さんは語る。週末の金・土・日と、過去の名画を上映する他、スクリーンやステージを活用したイベントの開催を呼びかけている。月曜から木曜までは、まさに貸切が可能なのだ。
「関東からわざわざやって来て、貸し切った人もいました。近くのTSUTAYAでブルーレイのDVDを借りて一人映写会を楽しんだ人も......」と切替さん。コンサートなど音楽イベントにも活用されることも多いという。貸ホール料は1人2時間1300円。プロジェクター使用料は2時間800円、暖房料が2時間500円とのこと。
柴咲コウもスペシャルライブを行った
冒頭のツイートには、こんな声が寄せられている。
御成座は柴咲コウがライブやったりとかいろいろ頑張っているみたいなのでもっと知られていくといいね
— 5月 (@10341oct) 2016年3月9日
昨年6月には、女優・歌手の柴咲コウが出張スペシャルライブを行ったらしい。
そういえば御成座で誰かがシークレットライブ?するって兄が言ってたな...駅に着いて外に出たらなにもないことにさぞびっくりするであろう...デモイイトコダヨ...
— あこ (@merrrrow) 2016年3月9日
大館...大館やりおる...御成座また行きたい... pic.twitter.com/eH1xpIg6O5
— 眠る三白眼/郁 いく (@yonethewa) 2016年3月13日
@ko_shibasaki コウちゃん、大館の「御成座」行ってきました。「End of the world」という映画見ました。あのステージで歌ったんですね。またどこか小さいところでLiveやってください。うさぎいました。 pic.twitter.com/rCVRZdixqY
— シャマ/猫幸組 (@shamataka) 2016年3月13日
柴咲コウ・ライブの余韻はまだ残っているようだ。
故郷・秋田県大館市のレトロ映画館(御成座)に行ってきたんですけど、廊下にモップみたいのが落ちてる...と思いきやストーブの前で微動だにしないウサギさんだったり、座席にストーブがあってポカポカだったりと、癒しの殺傷力が凄まじかった... pic.twitter.com/HN3ZzsfEdh
— ジュン (@fkjk) 2016年2月7日
そう、もう一つ忘れていけないものが、御成座のマスコット「ウサギ」である。ロビーのストーブの前でじっとしているウサギも鑑賞しておきたい。