全然懲りてない! 五輪エンブレムをパロった「おでんPOP」コンビニのいま【現場2015】
ネットが社会を動かした――。2015年、国民の関心を大いに集めた「五輪エンブレム騒動」を、こう評する論客は多い。
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佐野研二郎氏の「盗作疑惑」が2ちゃんねるやツイッターなどで次々と掘り起こされ、新聞やテレビといったメディアがそれを後追いして報じる。そうした連鎖反応を受け、現実でも「エンブレム取り下げ」の声が高まって......。その後の顛末は、皆さんの知る通りだろう。
思い返してみれば、このゴタゴタを最も痛烈に皮肉ったのも、やはりツイッターへ投稿された1枚の画像だった。おでんの具材を使って佐野氏のデザインをパロディー化した「おでんエンブレムPOP」である。
その仕掛け人は、とあるコンビニのオーナー。どうやら調べてみると、いまも懲りることなくユニークな活動を続けているらしい。そんな彼の現在を、Jタウンネットが追った。
「インタビュー?全然興味ないんで(笑)」
「おでんエンブレム」を制作した人物は、東京・小金井市にあるセブンイレブン「武蔵小金井本町2丁目店」と「武蔵小金井駅東店」両店のオーナーだ。記者は、電話で直接話をすることができた。さっそく、店舗に訪れての取材を提案すると――、
「取材?全然ムリですよ(笑)。本部的に、撮影も何も全部NGなんですから」
とあえなく一蹴。続けてインタビューを申し込んでみても、「いや、そういうのは全然興味ないんで(笑)」とこれまた拒否されてしまった。その代わりではないが、店舗のSNSに投稿されている画像は問題なく使用していいとのこと。「もう、ガンガンやっちゃって下さい(笑)」とはオーナーの弁だ。
通話時間はほんの1、2分程度。短い間ではあったが、なぜか不敵に笑い続けていたその話しぶりが象徴するように、やはりエキセントリックな人物であることが窺えた。

ということで、取材は全て断られてしまったため、今回は店舗SNSを利用してその動向を追うことにした。期せずして「ネットが社会を動かしたといわれる騒動をネット上で揶揄した人物の現在をネットで調査する」企画となってしまったが、どうかご容赦願いたい。
まさかの選挙戦出馬?
大人の都合で「おでんエンブレム」の使用禁止が告げられた後も、「(佐野氏デザインを)容易に想起」できないように改良したPOPを再掲するなど、懲りずに活動を続けた同オーナー。そうした活動が実を結んだのかどうかは不明だが、11月にはセブンイレブン本部が実施した「おでん販売コンテスト」で表彰されたと報告している。



アルバイトの求人広告では、携帯会社のように「乗り換えキャンペーン」を実施している。祝い金1万円を用意した上で、「セブンは勿論、F社・L社からでも、みんな歓迎!」とのことだ。

さらに11月24日には、店舗の公式アカウントにも関わらずなぜか全く関係のない「小金井市長選挙 公開討論会」のチラシを投稿。その2週間後にはなんと、「出馬してみようかな(笑)」というコメント付きで自身の選挙パネルをツイッターに投稿している。某パーソナルトレーニングジムを彷彿とさせるキャッチコピーに、「(中身の無い)ちくわ改革」など遊び心溢れる内容だ。
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「何をするか分からない」という表現がぴったりのコンビニだけに、2016年もその動向には注目していきたいところだ。