殺処分されかけたトイプードルが、警察犬の仲間入りを果たすまで...育ての親に話を聞いてみた
今から2年ほど前、生まれて間もなく飼育放棄され、危うく殺処分されそうになったトイプードルが、2015年10月30日、水戸市で行われた茨城県の嘱託警察犬を選ぶ審査会で見事に合格した。このニュースを知った人たちからは、次のような声がツイッターに寄せられている。
警察犬にトイプードルとか胸熱
— ステッド(Ship4) (@Suteries) 2015, 12月 8
トイプーの警察犬
がんばれ??????
— ゆぅ (@YouchanA) 2015, 12月 8
「胸熱」、「がんばれ」というつぶやきが殺到している。「泣ける」とか「大型犬に負けるな」というコメントも多い。警察犬になったトイプードルとは、いったいどんな犬なのだろう。
性格は、慎重で、几帳面で、キメ細かい...
そこでJタウンネット編集部は、トイプードルの育ての親に電話で話を聞いてみることにした。茨城県東海村に住む鈴木博房さんがその人だ。
このトイプードルが生まれたのは2013年のこと。ところが生後間もなく、最初の飼い主が飼育を放棄してしまい、危うく殺処分されかかるという危機に見舞われる。
それを助けたのが、鈴木さんだ。鈴木さんはこの子犬を引き取り、自宅にあった杏の木にちなんで、「アンズ」と名付けた。
この鈴木さん、以前から嘱託警察犬を育ててきた経験の持ち主で、家には当時3匹のシェパードがいた。大型犬の中に放り込まれた小さな「アンズ」は、すぐに慣れ、警察犬としての訓練にも参加するようになる。
「シェパードが積極果敢に前に進もうとするのに対して、アンズは慎重で、几帳面で、キメ細かい、という性格です。体が小さいので、どんな小さな手がかりも見落とさない、という優れた特徴も持っています」と、鈴木さんは語る。犯人が落としたコインや、コンタクトレンズも見逃さない。
今回の審査会では、アンズは「足跡追及の部」にエントリーした。匂いをもとに犯人の逃走経路を追跡し、犯人の遺留品を発見する試験を見事にクリアした。
嘱託警察犬の仕事が始まるのは、来年1月からの予定だ。大きなシェパードたちに交じって、犯人の手がかりを追跡するトイプードル「アンズ」の活躍が見られるのは、もうすぐである。