新宿駅の土地は誰のもの? 京王線ホーム端の「貸付票」めぐるミステリー
よく見ると...「貸付財産票」の文字が
その途中に不思議な札があるとネットで話題になっている。きっかけとなったのはAsami Yuukiさん(@asami vtj)の投稿だ。
今日一番の衝撃はこちら。
京王線新宿駅のホームは、JR東日本の所有物だった。
まだまだ知らないこといっぱいあるな。。。 pic.twitter.com/rkRzTvCYtx
— Asami Yuuki (@asami_vtj) 2015, 9月 19
問題の札は、特急や準特急が忙しく入線・発車する3番線の南端の柱に貼られている。「貸付財産票」という名称で、東日本旅客鉄道(JR東日本)が発行したようだ。
この情報をキャッチしたJタウンネットは現地に向かった。
普通に通路を歩いていると気づかないような位置に貼られていた。
札の貼られている地点はルミネ新宿1の地下にかかっていると推定される。株式会社ルミネはJR東日本が株式の95.1%を保有している。
先の財産票で「地積」が654平方メートルと記されているのが気になった。縦横にして25×25メートルくらいだが、ルミネ新宿1の敷地で京王線が使っている面積はもう少し広そうに思える。
不動産登記上を調べた。するとルミネ新宿1の建っている土地は複数の「地番」(登記上の番号)に分かれていた。
情報をとった地番は新宿区西新宿一丁目30番1。地積は510平方メートルで、所有者はJR東日本。まだ114平方メートル足りない。
不動産登記に関するサイトにはよく、「鉄道の地下構造物には区分地上権が設定されている場合が多くある」と書かれているが、今回請求した登記簿にそれらしき記述はない。
よく考えてみれば先の札は「貸付」――すなわち債権債務関係であることを示している。物権である区分地上権とは性質が異なる。
貸しているのは土地だけか、建築物を含むのか、さらに動産も入るのか――。