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コンビニなのに、本の品ぞろえ充実しすぎ!? スリーエフに「書店化」の動き

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.09.23 11:00
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コンビニの本コーナーは「客寄せ効果がある」と言われてきた。そのため売上構成比の割に売場スペースが広くとられ、そのほとんどは雑誌だった。もっとも近年は、雑誌の販売不振で売場の規模を縮小する店舗が目につく。

ところがそんなコンビニ業界の潮流の逆をゆくチェーンがある。横浜に本部を置く「スリーエフ」だ。その品ぞろえは街の本屋と勘違いするほど。

まるで書店の新刊コーナーレベル!?

スリーエフが本の品ぞろえを拡充している――歓びの声がツイッターに投稿されている。

「昨日こんな感じで本がいっぱい売ってるスリーエフ行って感動した」
「コンビニで書店の新刊コーナーレベルの本が売りだされたら死ぬほどうれしい人結構いると思うしスリーエフすごい」

神奈川・東京・千葉・埼玉の1都3県に約560店舗を展開しているスリーエフ。本コーナーを拡げた店舗は2015年8月末現在で50カ所ある。「本」と大きく書かれた青いのぼり旗が目印となっている。

これとは別に、スリーエフが文教堂書店と共同展開したFC店が千葉と神奈川に14店舗あるが、今回の取り組みは文教堂書店と一切関係ないという。

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「本部の施策として展開していまして、加盟店のオーナーの賛同を得た店舗でのみ実施しています」
「雑誌については通常のコンビニとほぼ同等の品ぞろえです。プラスアルファで書店用のゴンドラを2~6本程度増設しています」(スリーエフ商品部 本サービスチーム)
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Jタウンネット編集部は北池袋店を訪れた。東武東上線北池袋駅から徒歩1分の好立地だが、駅前にライバルのコンビニチェーンはなく、利用者の姿が絶えない。

北池袋店の外観。店頭には野菜が並ぶ。近所にスーパーがないこともあって、多くの人が品物を手に取っていく。
北池袋店の外観。店頭には野菜が並ぶ。近所にスーパーがないこともあって、多くの人が品物を手に取っていく。

同店は入口付近が本コーナーになっている。窓際の棚と通路に囲まれた島が雑誌ゾーン。情報誌やギャンブル誌、コミック誌など売上構成比の高いジャンルがしっかり揃っている。

一般書籍やコミックの単行本は、壁に沿って配置されたゴンドラ(販売什器)に収納されている。その手前に平台があり、「がっこうぐらし」「at Home」「ハリガネサービス」「監獄学園」「ボールルームへようこそ」「おんなのいえ」「orange」などの人気作品が積まれていた。

北池袋店で強力プッシュされていたのは、12日から全国ロードショーされた映画「天空の蜂」の文庫本と、19日に公開予定の「ヒロイン失格」の原作コミック。客の関心を惹くPOPが飾られ、さらにタブレットで予告編の動画を流している。データ元は不明だが売上ランキングの一覧も壁に貼ってあった。

カテゴリーで一番多いのはやはりコミック。ゴンドラ2~6本では巻数の多い作品をそろえられないのでは?と思う人もいるだろうが、「シリーズ作品は、本棚に並ぶ在庫以外にもストックがございますので、お気軽に声をかけてください」と書かれた貼り紙があった。

その隣にはこんなメッセージも。

「ブックカバーおかけします」

「ゆくゆくは店頭注文も始めたい」

レジ通路に面したトップエンドゴンドラは新刊コーナーとなっている。本日発売の週刊少年ジャンプや又吉直樹さんの「火花」などの売れ筋アイテムが陳列されていた。

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これらの効果は来店客数に表れているそうで、

「詳細は申し上げられませんが、売上、来店客数、時間帯客数、客単価への変化が大きく出ています」(スリーエフ商品部 本サービスチーム)

現時点で客注に対応していないが、「店舗における注文については検討を行っており、将来的には実施したいと考えております」と本サービスチームは説明する。

他のコンビニチェーンも書籍販売に注目

ローソンも本コーナーを拡充する動きを見せる。8月26日、書籍の販売に力を入れると発表した。
通常のローソン店舗ではコミックを除く書籍を10~20アイテム販売しているだけだが、一部の店舗でゴンドラを設置して書籍を販売したところ、本の売上高が約1割増加し、書籍購入者のリピート率が通常よりも高く、来店客数の増加につながることが判明したという。
この結果を受けて、小説文庫や雑学文庫、ビジネス書、料理・健康の実用書など約75タイトルを9月28日から売り始める。対象となるのは全国の約1000店舗。

電車に乗れば大型書店はあるけれど、そこまで足を運ぶのは案外面倒だったりするもの。
いつも利用するコンビニで話題の本をたまたま見つけて、「なんか面白そう」と手にとるシーンが今後増えるのではないか。

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