シモキタにも負けない? ザ・昭和な魅力漂う街「上北沢」を歩く
2015.09.20 06:00
高級住宅街のような南口周辺に、突如出現する「占い美容室」
南口方面にも足を延ばしてみると、そこは閑静で落ち着いた住宅街といった印象。住宅街の道の両側に桜並木が続いている風景は、まるで伊豆や軽井沢のような別荘地のようにも見える。中央の大通りから規則的に枝道がのびている「肋骨通り」も、駅の南側にある。
そんな高級住宅街を尻目に、西に向かって線路沿いを歩いていくと――。
インパクト抜群の「占い美容室」があった。ここでは、散髪や着付けと同時に占いを受けることが出来るらしい。価格は通常の占いが10分2000円、霊感占いが1万円と少々高額だが、散髪した際は料金プラス1000円で鑑定してもらえるらしい。
なるほど上北沢は、やはり北と南のどちらも一筋縄ではいかないようだ。学生などの若者が集い、昼夜問わず賑わっている下北沢に比べ、人がほとんど歩いていないのも好印象だった。下北沢で遊び疲れてしまった人も、いちど上北沢の静かで独特な雰囲気を体験してみることを、ぜひおすすめしたい。
ちなみに、同じ世田谷区にある「上北沢」と「下北沢」だが、両者の距離は10キロ以上も離れている。いったいなぜ、似たような地名がつけられているのだろうか。
その理由は、かつて世田谷には目黒川の支流である「北沢川」が流れていたことにある。川の上流を「上北沢」、下流を「下北沢」と名付けたという。現在では北沢川は暗渠化されており、その名残は地名にしか残っていない。