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東京駅で見かけた、ブータン国王の大型パネル...いったい何これ?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.08.08 06:00
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国王夫妻も来福...と思ったら違うみたい

東京駅コンコースと京葉線ホームを結ぶ長い通路の壁面に、5枚のパネルは飾られていた。

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このパネルがPRしているのは、2012年11月に福井市にオープンした「ブータンミュージアム」だ。ブータン国外で唯一という名誉ある博物館でもある。ブータン好きが集まってできたNPO法人「幸福の国」が運営している。
現地の自然や人々の日常生活などを記録した写真パネルや、民族衣装、織物、楽器など約400点を展示している。このほかセミナー、交流会、イベントなども開催している。

向かって一番左のパネルは、ヒマラヤ山脈をバックに現地の女性が微笑んでいる姿を映したもの。合成っぽい気がしないでもないが、ブータンの雄大な自然ぶりが伝わる。

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その右隣のパネルに視線を移す。品格ある建物と一緒に、次のメッセージが載っている。

「福井へ行こう 今 日本の中心」

「いつ、誰が、日本の中心は福井と決めたの??」という言いたくなるが、福井県のサイトにはその根拠らしきものが記されている。

「東経135度と北緯35度の交点が日本の中心に当たると言われています。福井県は、東経135度27分~136度50分、北緯35度20分~36度17分に位置し、日本海側のほぼ中央に位置していることから、まさに『日本のまんなか』=『へそ』と言えます」

また、黒と白の建物がミュージアムであるかのように錯覚してしまうが、写っているのはブータンの王宮だろう。ミュージアムは普通のビルに入っている。

真ん中のパネルは、国王夫妻の仲睦まじいショットを取り込んだもの。その顔立ちが日本人に近いのに驚く。
右横にあるキャッチに目を移す。夫妻が「幸せの県 福井」を旅したかのように勘違いしそうだが、2011年に国賓として来日されたとき、福井に行かれたという記録は残っていない。

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パネルの4枚目は再び王宮の写真。

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5枚目は、日本の地方行政を学ぶため、独立行政法人国際協力機構(JICA「ジャイカ」)の招きでブータンの青年が福井を訪れたときの様子を写したもの。
ミュージアムが彼らの受け入れ先となり、研修の一環で県立恐竜博物館に立ち寄ったようだ。

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福井県の名誉のために書いておくと、中央のパネルに書かれている「幸せの県 福井へ」というキャッチは間違っていない。

法政大学大学院政策創造研究科の研究班が2011年に発表したところによると、「47都道府県の幸福度に関する調査」で福井は堂々1位に輝いた。
刑法犯の認知数、1世帯当たりの貯蓄額、老人福祉費、失業率の低さ、障害者雇用の高さ、出生率、マイホーム所持率、平均寿命など約40の分野の幸福度を総合評価したところ、

福井は日本でいちばん幸せな県民

という結論に至ったという。

NPO法人の公式サイトによると、ブータン王国の文化や伝統を紹介して国際交流を深めつつ、福井県民に幸せを自覚してもらう狙いが、ミュージアムに込められている。

意外と言っては失礼だが、見学した人の心を打つ展示内容となっている。

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