牡蠣が多すぎて「食べても食べてもなくならない!」 天橋立が大変なことに
[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2015年7月13日放送で、「天橋立の悪臭被害」について取り上げていました。
京都市宮津市にある日本三景のひとつ、天橋立。この日本を代表する景勝地で"ある問題"が起きています。
一見珊瑚のように見える島、実は牡蠣殻の山なんです。天橋立ではおよそ15年前から牡蠣が大量に繁殖して、殻が堆積するようになりました。牡蠣が大量に繁殖しているのは、天橋立の西側に広がる阿蘇海で、宮津湾から仕切られた内海です。
ここは天橋立によって外海と遮られていて、潮の出入りが少なくなっています。そこに生活排水などが流れ込むことによって、海中の窒素やリンなどの含有量が高くなって牡蠣が繁殖しやすくなっているのです。
このように大量繁殖した牡蠣が海の上に出て死んで悪臭を放つ、という悪臭被害が深刻になっています。また、牡蠣の貝殻が積もることによって水深が浅くなり、船底を傷つけてしまうという被害もあるそうです。
牡蠣が多すぎて食べきれない!
これまでは地元の住民がボランティアで牡蠣殻の撤去に当たっていましたが、事態を重くみた京都府が今年度から予算をつけ、本格的な撤去へ向かうことになりました。とはいえ重機を使用した撤去作業には数億円かかることもあり、今は人の手によるボランティアに頼った作業にとどまっています。
ここで素朴な疑問、「牡蠣を食べてしまえばいいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実は食べているけれど量が多すぎて追いつかないのだそうです!
地元では「文殊牡蠣」という名前を付けてブランド化を図って、広く知ってもらおうとしているのですが、天然ものということもあり大きさにバラつきがあること、一般に出回っているものにくらべて食感が柔らかくて水っぽいことから、あまり浸透していないのが現状。
"行政の撤去作業"と"牡蠣の需要を増やすこと"が、天橋立の当面の課題と言えそうですね。(ライター:ツカダ)