「日本一暑いまち」館林で、「世界一辛いうどん」を食べてみた
「日本一暑いまち」として知られる群馬県館林市は、「館林の暑さを街の熱さに変える!」をキャッチコピーに「暑さ」をウリにした町おこしを盛んに行っている。そんな「アツい」町おこしイベントの1つ、「激辛・激甘・激冷グルメ総選挙」(主催・館林商工会議所)が2015年7月10日から8月23日まで実施中だ。
今年で第3回を迎えたこのイベントは、地元の飲食店が考案したオリジナルメニューを地元住民や観光客が食べ歩き、投票でグランプリを決めるといったもの。今年度は45店舗が参加し、「激辛」「激甘」「激冷」に当てはまる48品の刺激的なメニューをエントリーしている。
イベント開催中の7月15日、折よく館林を訪れていた筆者。地元の人気店「花山うどん」が考案した、「世界一辛い」とギネスブックにも認定されている「スコーピオン唐辛子」を使用した激辛メニュー「灼熱のおっきり込み」に挑戦してみた。
辛ウマならぬ「痛ウマ」
館林駅から徒歩1分の場所に店舗を構える「花山うどん」は、創業から120年以上の歴史を持つ老舗のうどん店。2014年に東京・代々木公園で開催された「うどん天下一決定戦」で売上・評価ともに全国トップになるなど、館林が誇る有名店だ。その看板メニューは「鬼ひも川」という、幅が5センチにも達するインパクト抜群の麺。今回は、この幅広麺をつかった群馬の郷土料理「おっきり込み」をアレンジした激辛メニューを味わってきた。
「五代目からの挑戦」と銘打たれた激辛メニュー「灼熱のおっきり込み」は、その辛さを自由に調節できるのが特徴。ギネスブックに「世界で最も辛い」と認定されたスコーピオン唐辛子と長ネギを和えた特製トッピング「灼熱のねぎ」を、通常の「おっきり込み」に好きなだけ投入することができる。けれども、入れ過ぎは禁物。メニューにも「大変辛いので、少量ずつ入れてお召し上がりください」との注意書きがあるほどだ。
まずは激辛トッピングを入れず、通常のまま味わってみる。幅広の麺は、ほうとうに近い食感。白みそベースのだしは薄味で、上品でやさしいおいしさを堪能できる。この完成された味わいの料理に、「灼熱のねぎ」を無慈悲に投入していこう。
では、実食。
「辛っ!!!というより、『痛っ!』」
見た目はそこまで辛くなさそうだが、実際に食べてみるとこれがとんでもなく辛い。ふざけた辛さである。しかも、舌がヒリヒリとしてちょっと痛い。麺の幅が広いので、食べるたびに唇の端に麺があたってさらに痛い。けれども、食べるのを止められないほど「ウマい」のだ。
元々のだしが白みそなので、味としては担担麺のスープに近いような風味(ただし激辛)。幅広の麺はスープを吸いやすく、麺だけでも十二分に辛い。あんなに甘かったカボチャも、甘辛く煮つけられたシイタケも、鍋の中の全てが激辛に変貌している。たった、2つかみでこれだ。もし、これ以上トッピングを入れたらどうなってしまうのか......。いやはや、想像するだけでも「辛い」。
価格は1200円(税込)。無事に完食した人には、5代目からのおみやげがプレゼントされるそうだ。