「小雨決行、大雨強行」...祇園祭の山鉾巡行にかける京都人の心意気が熱い
2015年7月17日の京都は、台風11号の接近による影響で激しい風雨に見舞われた。地元民のツイッターによれば「土砂降りの雨で、淀川は氾濫しそう」な状況だったそうだ。そんな状況にも関わらず、祇園祭のハイライトともいえる「山鉾巡行」は無事執り行われたという。
過去の中止理由は「応仁の乱」「第2次世界大戦」......
京都の夏の風物詩ともいえる祇園祭は例年7月1日から31日まで、1か月間にわたって行われる。その歴史は貞観11年(869年)まで遡り、これまでに1100年以上の歴史を持つ伝統ある祭礼だ。京都市内の各所で様々な神事が行われる中でも、9基の鉾と14基の山が京都市内を巡る「山鉾巡行」は祭りの最大の見どころの1つ。
台風11号が接近するなか、今年度の巡行可否をめぐる判断が前日から注目されていた。その結果――17日午前5時に、予定通り実施されることが決まった。暴風警報が出ていないことや、過去に荒天で中止になった事例がないことから、祇園祭山鉾連合会が全会一致で実施の判断をしたという。
実は、これまで祇園祭の山鉾巡行が前祭・後祭ともに中止されたのは、長い歴史の中でたった3回だけ。応仁の乱による京都市中の荒廃によって、1467年から99年の32年間祭自体が断絶していたのが1例目。続いて、第2次世界大戦の戦局悪化と戦後の混乱で1943年から46年にかけて祭が中止されたのが2例目になる。3例目は、1962年に京阪神急行電鉄の地下線延伸工事が行われていた際のこと。工事の影響で、四条通の山鉾の通行が困難となったことが理由で、巡行が中止されたという。
そのほか、本能寺の変やコレラの蔓延、明治天皇崩御などの理由で順延などもあったというが、山鉾巡行が全く行われなかったのは上述の3例のみだ。
このような祇園祭の歴史と、今回の巡行決定の判断をめぐって、ネットからは「京都の心意気すげえ!」「勇気ある判断に称賛」「『少雨決行、大雨強行』というスタンス、尊敬だわ...」といった声が多数寄せられた。実際に現地を訪れていた方のツイートと合わせて、ネットの反応を紹介したい。
中止が危ぶまれてた京都祇園祭の山鉾巡行が決行するらしいけど、
基本スタンスが『小雨決行、大雨強行』で、
『山鉾巡行延期の過去の理由が、本能寺の変・禁門の変』
『過去に三回中止してるが、その3回の理由が、応仁の乱・第二次世界大戦・阪急地下工事』
っていうのが最高にクール。
— 冥紗@GBWは6部承太郎 (@29reye) 2015, 7月 16
祇園祭、前祭の山鉾巡行始まってます。みんながんばってます。大雨です。 pic.twitter.com/Db7f93hSNJ
— mizunosatoko (@okiraku55_uji) 2015, 7月 17
大雨の中、山鉾巡行が続いてるよ。
#祇園祭 pic.twitter.com/aCm7AinqcA
— うずら納豆 (@kouji55i) 2015, 7月 17
大雨の中、祇園祭決行中。山鉾巡行を見たのは初めてかもしれない。 pic.twitter.com/peXtTPa4am
— m(__)m (@uao_43) 2015, 7月 17
祇園祭りの山鉾巡行、小雨決行大雨強行(゚o゚;;
もう解体してはります。
山鉾巡行は悪霊を集めてきているから、直ぐに解体するとか、もうすごすぎる
— ゆかちん (@kikaseteanata) 2015, 7月 17