ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

東京と大阪の「京橋」比べたら...? 2勝1敗1分けで大阪の勝ち!

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.07.12 11:00
0

「京橋」と呼ばれる地名は全国に点在する。

本家である京都市は伏見区に「京橋町」があり、三重県桑名市や広島市南区にも同じ地名がある。岡山市に至っては北区京橋町・北区京橋南町・中区新京橋の3カ所が存在する。

日本一地価の高い東京都中央区は、旧京橋区と旧日本橋区が合併してできた区で、京橋という地名や東京メトロ銀座線京橋駅にその足跡が残る。 地名としては存在しないものの、大阪市有数のターミナル「京橋」も外すことはできない。

今回の地域対決シリーズは、同じ名前の駅がある、東京と大阪の「京橋」を比較する。

town20150711kyobashi000.jpg

ブリッジとしての「京橋」、地名としての「京橋」はどこ?

東京と大阪の京橋はいずれも、安土桃山~江戸時代初期に架けられた歴史ある橋だ。どちらも「京に通じる橋」という意味で命名された。
東京の方は日本橋から東海道を西に進んで最初の橋で、大阪は京都方面からの旅人にとって町の玄関口だった。

残念なことに東京の橋は50年以上前に姿を消している。京橋川の埋め立てとともにその役目を終えたからだ。跡にはわずかな痕跡しか残っていない。

東京の京橋にある親柱(Aimaimyiさん撮影、Wikimedia Commonsより)

東京の京橋にある親柱(Aimaimyiさん撮影、Wikimedia Commonsより)

大阪の方は寝屋川に架かっていて、今でも交通量は多い。ただし京橋駅から西に1キロほど離れた場所に位置する。別に移設された訳ではなく前からこの場所だった。駅の方が「京橋」の威光にあやかって名付けたと思われる。

大阪の京橋(Mc681さん撮影、Wikimedia Commonsより)

大阪の京橋(Mc681さん撮影、Wikimedia Commonsより)

橋梁がなくなった後も「京橋」という名前はしっかり残っている東京都中央区。
それとは反対に、大阪は橋梁が残って地名は消滅した。1989年、東区と南区が統合され中央区が誕生した際、「京橋」は別の名前に変更されたからだ。

橋梁と地名では痛み分けといったところだろう。

乗降客数は大阪が圧倒

話を駅とその周辺に戻そう。第2ラウンドは東西の駅の乗降客数を比較する。東京の京橋駅は1932年の開業で、1日当たり4万7920人が乗り降りする。ただし路線は東京メトロ銀座線1本だけ。また同じ町内には都営地下鉄浅草線宝町駅もある。
東京駅八重洲口までは徒歩12分程度の近さなので、こちらを利用する手はある。

一方、大阪の京橋駅。乗降場が設けられたのは1912年で、現在はJR大阪環状線・東西線・片町線(学研都市線)、京阪電車、大阪市営地下鉄鶴見緑地線が乗り入れる。乗降人員は約47万人以上もある。京阪神を移動する場合、何かと便利な駅だ。

ターミナルとしての規模は、大阪が東京に10倍もの差をつけている。言うまでもなく大阪の勝ち。

地価の高さでは東京が上

一般的に街が栄えているほど土地の値段は高くなる。駅の利用者数からすれば大阪の京橋駅周辺の方が高そうに思えるけれど、実際のところはどうなのか。
以下の表は東京と大阪の京橋駅周辺の地価を比較したもの。駅の乗降客とは反対に、東京が大阪の10倍以上の値をつけている。

town20150711kyobashi_chika.jpg

大阪を代表する繁華街といえば、「キタ」と呼ばれる梅田、「ミナミ」と呼ばれる難波の2カ所。それらに遠く及ばないものの、京橋を「ヒガシ」=大阪の第3極と位置付ける向きもあった。実際に使っている人はほとんどいないと聞くが。
住友生命本社ビルや読売テレビ本社ビルなどが立ち並ぶ大阪ビジネスパーク(OBP)は、寝屋川の対岸に位置し、歩いていける。

大阪ビジネスパーク遠景(Wing1990hkさん撮影、Wikimedia Commonsより)

大阪ビジネスパーク遠景(Wing1990hkさん撮影、Wikimedia Commonsより)

京橋駅周辺は京阪百貨店や大きなダイエーもあったりするが、昭和的な商店街が今でも残る。吉本興業の劇場「京橋花月」は2011年11月、たった3年で閉館してしまった。

京橋駅前の商店街。グランシャトー周辺(YouTubeより)

東京の京橋はどうなっているか。江戸時代は町人街に属していたものの、現在は完全なオフィス街に変貌している。東京駅八重洲口や銀座、日本橋を結ぶ三角形の内側に位置し、一流企業の本社も多い。味の素、ブリヂストン、兼松エレクトロニクス、パイロット、大日本住友製薬、明治屋――。

明治屋本社(京橋ストアー)(Kakidaiさん撮影、Wikimedia Commonsより)

明治屋本社(京橋ストアー)(Kakidaiさん撮影、Wikimedia Commonsより)

地価および立地でいえば東京の方が明らかに上だ。

名物施設で濃いのはどっち?

ここまで3番勝負は全くの五分。最後に町の名物施設で決着をつけよう。

東京の京橋はエスタブリッシュな雰囲気の施設が集結している。日本有数の西洋美術コレクションを有するブリヂストン美術館(長期休館中)や、ドライビングシミュレータのある警察博物館など。お勧めは東京国立近代美術館フィルムセンター京橋本館だ。レアな作品を中心に週6日上映している。例えば、ロマンポルノの怪作「大人のオモチャ ダッチワイフ・レポート」(1975年、日活)は7月23日に公開される。入場料は上演が一般520円。

警察博物館

警察博物館

一方の大阪にも強烈なランドマークが存在する。
京阪電車京橋駅は1960年代、線路の付け替えと高架化が行われた。地上線の跡地に建てられたのが「グランシャトー」だ。サウナやカラオケ、パチンコ店などが入居するレジャービルで、奇抜な外観とテレビCMは多くの関西人の知るところだ。

グランシャトー(YouTubeより)

京橋グランシャトーのテレビコマーシャル(1996年)(YouTubeより)

個性の強すぎるキャラが登場するCMと、女子アナウンサーが淡々としゃべる天気予報とのギャップがすごい......。流れていたのはサンテレビの深夜枠らしいが。
YouTubeのコメント欄には、「大阪環状線の全駅に発車メロディーが出来て話題になってますが、 京橋駅をグランシャトーの歌にしてほしかったなあ」という意見まであった。

京橋グランシャトービル(Mc681さん撮影、Wikimedia Commonsより)

京橋グランシャトービル(Mc681さん撮影、Wikimedia Commonsより)

洗脳された人の数でいえば、京橋グランシャトーが圧倒している。ランドマーク勝負は、大阪が東京をノックダウンした。

以上、「橋梁と地名」「駅の乗降人員数」「地価と駅周辺の繁栄度」「名物施設」で比較した。
2勝1敗1分けで、大阪市の京橋を勝ちとしたい。

PAGETOP