鹿児島県民なら全員歌える? 謎のご当地ソング「茶碗蒸しの歌」って何?
鹿児島県には、「茶わんむしのうた(茶碗蒸しの歌)」というご当地ソングが存在する。他県民からしてみれば「?」しか出てこないのだが、どうやら鹿児島では「地元民なら誰でも1度は聞いたことがある」といえるほどメジャーな曲だという。実際に調べてみると、地元企業のテレビCMに使用されていたり、NHKの「にほんごであそぼ」で鹿児島の民謡として紹介されるなど、その知名度は確かなもののようだ。
ツイッターで「茶碗蒸しの歌」と検索してみると、ヒットするのは鹿児島県民とみられる人ばかりだ。
鹿児島俗謡【茶碗蒸しの歌】茶わん虫の歌 http://t.co/MbOhznlaxp
— がっちょん (@wooo_gacha) 2014, 11月 22
鹿児島人茶碗蒸しの歌は歌える。歌えない人は他県民...「うんだもこーらいけなもんな。あーたいげーのちゃーわんなんだ。日に日に三度もあるもんせーば綺麗なもんわんさー。茶碗についた虫じゃろかい?めごなどけあるく虫じゃろかい? まこーてげねこじゃ、わっははー×2」←言い方変わるけど
— 猫まる@油絵展示中(ギャラリー) (@girorofan839) 2015, 6月 3
鹿児島県民なら皆さんご存知『茶碗蒸しの歌』ですよ
— T2ファージ (@T_2_phage) 2015, 5月 11
このように地元民に広く愛されている茶碗蒸しの歌だが、その発祥は今からおよそ100年前にさかのぼる。大正末期の1921年、鹿児島霧島市の宮内小学校に勤務していた石黒ヒデさんが、学芸会で披露した劇「行きくれし旅の子」の劇中歌として作詞・作曲。戦後、鹿児島民謡の発掘や普及活動に努めた久保けんおさんが楽譜におこしたことで、広く知られるようになったという。
鹿児島弁で歌われるその内容は、「茶碗蒸し」と「茶碗虫」を勘違いするというユニークなもの。もとが劇中歌なので、曲のシチュエーションも解説しないと意味が伝わらないので、その背景も含めて歌詞の内容をまとめると、以下のようになる。
茶碗蒸しを知らない飲食店の店主が、お客から注文された「茶碗蒸し」を「茶碗についた虫」と勘違い。洗い物を担当する店員を呼びつけて「お前は茶わんを洗ったのか?茶わんに虫がついているとお客さんが言っているぞ」と言いつける。それに対して、店員が以下の歌詞のように反論、そのやりとりを聞いたお客はたまらず大笑いしてしまう――。
うんだもこら いけなもんな(まったくそれは どんな物なのですか?)
あたいげんどん ちゃわんなんだ(私の家の茶碗は)
日に日に三度もあるもんせば(毎日、日に3回も洗っているため)
きれいなもんごわんさー(清潔なものです)
ちゃわんについた虫じゃろかい(茶碗についた虫のことでしょうか)
めごなどけあるく虫じゃろかい(洗い物角などをけちらして歩く虫のことでしょうか)
まこてげんねこっじゃ(まったく恥ずかしいことです)
わっはっは
歌詞とその意味は、発祥の地である宮内小学校のホームページから引用させていただいた。
ちなみに、県内でも地域によって歌詞に細かい違いがあるようで、ツイッターにはこんな投稿もみられた。
鹿児島俗謡【茶碗蒸しの歌】茶わん虫の歌
https://t.co/At93tWlZdq
地域によって歌詞が替わってある意味荒れる曲はNG
— ハナラトゥーン (@hanasuta_bay) 2015, 4月 22