寂しい...書店の街・池袋を引っ張った「リブロ」が間もなく閉店
80年代の日本で最も輝いていた書店
リブロが誕生したのは1975年のこと。増床したばかりの西武池袋本店11階で営業を開始する。まだ「西武ブックセンター」という名前だった。
最初の売場面積は300坪。ニューアカデニズムや精神世界など個性的な品揃えは、12階の西武美術館とともに「文化の西武」のイメージを高める。
1979年には500坪の大増床に踏み切り、地域一番店に成長する。美術書、児童書、演劇書、コミック、そして詩の本の店「ぽえむぱろうる」などのコーナーを擁し、読書の虫を池袋に惹きつけた。
書店チェーンとして全国展開を進め、1988年度の売上高は166億円、33店舗に達する。書店小売業では丸善、紀伊国屋書店、有隣堂に次ぐ4位だった。そして翌1989年には現在の別館(当時の名称はSMA館)へ移動する。
しかしバブル崩壊でセゾングループは解体。リブロは現在、出版取次大手の日本出版販売(日販)の100%子会社となっている。
一方、同じグループだった西武百貨店は、2006年にセブン&アイ・ホールディングスに買収される。会長の鈴木敏文氏は日販のライバル、トーハン出身だ。
出版業界紙「新文化」の2015年3月4日付け記事によると、西武池袋本店で営業するリブロの存続問題は以前にも浮上したことがあり、2014年夏頃から賃貸契約の話は出ていたという。
実は西武池袋本店内にはもう一つ本屋がある。2010年9月にオープンした三省堂書店だ。売場面積はリブロより狭いが、1つの百貨店に2つの書店が同居するのは珍しい。