週末は神田祭! すっかりラブライブ!モードな神田明神とアキバを歩く
江戸の総鎮守として知られる神田明神こと神田神社(千代田区外神田)は、JR秋葉原駅と御茶ノ水駅の中間に位置する。かつて現在の大手町にあったが、江戸城の拡張により1616年に現在の地に移った。神田・日本橋・秋葉原・大手町・丸の内など東京の中枢が氏子区域だ。
5月中旬に行われる「神田祭」は、徳川幕府の厚い支援を受けて「天下祭」と称された。京都の祇園祭、大阪の天神祭とともに日本三大祭の一つにも数えられる。厳密には西暦奇数年が本祭で、偶数年が陰祭だ。
2015年は5月9・10日に催される。ご遷座400年奉祝大祭にあたる特別な年ということもあり、各町の氏子たちは例年以上に気合いを入れている。
祭の開催を明後日に控えた7日、アニメとオタクの街・秋葉原も熱気を帯びていた。
アキバのあちこちに幟が立っている
JR秋葉原駅アトレ1改札口を出て、エスカレーターを降りたところの柱に、ラブライブ!のキャラクターとアニメシーンを散りばめた大きなポスターが貼ってある。そこには次のように書かれている。
「私たちと一緒にお祭りしよっ!!」
1階にも同じものがある。
祭を知らせる幟があちこちに立てられていた。
「ラブライブ!」は作品中に神田明神がたびたび登場することもあり、これまでも積極的にコラボ企画を行ってきた。文字通りの「聖地」だ。せっかくなので神田明神に立ち寄ることに。JR秋葉原駅からの距離は約700メートル、徒歩10分もかからない。
近所のローソンが気合入りまくり
ローソン神田明神店の前を通りかかる。他店と異なる雰囲気を感じたので入店した。
ミニ鳥居が壁時計のまわりを飾っていて、その下にはラブライブ!の商品が陳列されている。全国どこに行ってもコンビニの店舗構成は大差なく、それが強みになっているが、こういう個性の出し方は大いにアリだろう。
神社も完全コラボ
神田明神の鳥居に到着。退出する男女が一礼している。礼儀正しい参拝者が多かった。
筆者も一礼して奥へ進む。参道脇の飲食店にも例のポスターが貼ってある。銭形平次そばセットと並んでいるところがツボにはまった。
1975年建立の随神門をくぐる。きらびやかさに目を奪われるとともに、「さぁ参拝するぞ!」という気力が自然とみなぎる。
御神殿の一般参拝者は4、5人程度。みな二礼二拍一礼を守っていて、柏手のスピードが速かった。きっと彼らは江戸っ子の末裔なのだろう。
正面右側には祭で使われる山車が展示されていた。
さあ帰ろうかと周囲を見渡すと――あるテントに老若男女が並んでいるのに気付いた。御神殿前よりも人の密度は高い。
彼らのお目当ては――公式ガイドやロゴ入りTシャツなどのアイテム、そしてラブライブ!コラボ絵馬、御守だ。販売者は神社関係者らしき服装をしている。
東京の安泰と繁栄を願う
幾多の大地震や東京大空襲を経験しながらも、東京は世界有数のメトロポリスに発展した。しかし箱根山の火山活動が活発化するなど、自然災害再来の不安が人々の脳裡をよぎっている。
江戸~東京を見守ってくださったことに感謝しつつ、「これからもよろしくお願いします」という思いを込めて、特製絵馬と御守を購入した。合わせて2300円。
神田明神公式サイトのトップにはコラボページのバナーが設置されている。由緒ある神社のお祭りとアニメのコラボに仰天する人もいるだろうが、この包容力こそ外神田、いや東京のエネルギーの源と考えれば、抵抗感なく受け入れられる。
先述のローソン神田明神店に再び立ち寄る。貼り紙が告げているように、文字通りお祭り騒ぎとなりそうだ。ワクワクしてくるではないか!
「『神田祭期間中の特別対応について』――神田祭での需要に対応するため、売場の変更を行います。また、一部商品の品揃えに不備が発生する場合もありますので、ご理解くださいますようお願い申し上げます」
「また、神田祭当日は大変な混雑が予想されますので、予めご承知の上ご来店くださいませ」