【旅先いい話】「突然のエンジントラブル！ ホテルもなく野宿を覚悟したが...」（岐阜県・40代女性）
家族で出かけた楽しいドライブ旅行。ところがその途中で、愛車がダウンしてしまったら......。
岐阜県のEさん（40代女性・主婦）が見舞われたのは、そんなトラブルだ。見知らぬ土地で、一時は野宿も覚悟したEさんと家族だったが、そこで手を差し伸べてくれたのは地元の人たちだった。
目指すは神戸。でも大津まで来たところで...
2年前、家族で神戸にドライブ旅行をしたときの話です。
ちょうど夏休み真っ最中の時期でもあり、渋滞を避けるため私たちは岐阜からしばらく一般道を通り、滋賀県の大津から名神高速に乗る、というルートを選びました。
ところが、大津インターまであと少しという地点で、突然のトラブル発生です。エンジンの調子がおかしいな、と思っていると、急に車がストップしてしまいました。
慌ててロードサービスを呼んだのですが、「これは、ちょっと修理が難しいですね......」。かなり重大なエンジントラブルみたいです。とりあえずの応急処置で再びエンジンはかかりましたが、このままだといつまた止まってもおかしくないとのこと。
帰るに帰れず、進むに進めず
ここでUターンして家に帰ることも考えましたが、大津から岐阜までは結構な距離です。途中、変なところで止まってしまったら目も当てられません。
ここは大津で一泊するのが一番いい、という結論に至り、さっそく宿を探し始めました。ところが、大津プリンスなどネットなんかに載っているようなホテルは、夏休みとあってどこも満室！ その間、せめて市街地に近づこうと車を動かしましたが、案の定町外れで力尽きてしまい、まさに万事休す。
「これは、野宿するしかないかも......」
夫のつぶやきに、私も子どもたちも、もはや返事をする気力さえありません。
「うちに泊まっていってください」
すでに時間は夜です。道路の端っこに車を停めて、半ば呆然と夜空を見ていた私たちの前に、1台の車がやってきました。
「こんなところで、どうかされたんですか？」
私たちが困り果てているのを見かねてでしょう。近所にお住まいだというドライバーの方です。事情を聞くと、「じゃあ、うちに泊まっていってください」と仰ってくれました。でも、それはいくらなんでも申し訳ないので遠慮していると、「なら、知り合いの旅館を紹介してあげるから」、とその場で電話して、さらにその旅館まで連れて行ってくれました。
そこは地元の方しか知らないような小さな旅館で、幸いなんとか空きが。そこで一夜を過ごした私たちは、無事に翌日我が家に帰りつくことができました。
楽しみにしていた神戸旅行がつぶれたのは残念でしたが、人の親切にも助けられ、子どもたちにはいい経験になったように思います。その後も、何度か大津には旅行に出かけています。