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どっちが便利?「東京モノレールVS京急」羽田空港への足を徹底比較

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2015.03.05 06:00
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羽田空港は、1年間で約7200万人が利用する、関東の空の玄関口だ。開港したのは1931年だが、最初の鉄道・東京モノレールが空港に直接乗り入れたのは東京オリンピック開催の23日前、1964年9月17日とかなり遅い。
以来19年間にわたって鉄路の独占が続いたが、1993年に京浜急行電鉄(京急)が羽田駅(現在の天空橋駅)まで延び、そして1998年に羽田空港駅(現在の羽田空港国内線ターミナル駅)が開業する。こうして2社による競争が幕を開いた。

現在羽田には国内線第1・2と国際線の3つの旅客ターミナルがあり、2社とも全てのターミナルに停車する。都心と羽田を往来するとき、どちらを利用するか悩ましいところ。Jタウンネット編集部は様々な角度から比較した。

羽田空港 第1ターミナル
羽田空港 第1ターミナル

国内線ターミナルの駅は、京急が第1・2とも1つの駅なのに対し、東京モノレールはターミナルによって駅が別れる。下車時は注意が必要だ。

駅で感じるストレスが少ない、という点では東京モノレールの方が勝っている。

通常運賃は京急が安いけれど

利用客がどちらの路線にするか迷うとき、最大の比較ポイントは運賃だろう。下の表はICカード運賃と切符(現金)運賃を比較したもの。
東京モノレールの方が長い距離を走るとはいえ、京急の安さが目立つ。

東京モノレールと京急の通常運賃の比較(編集部作成、以下同)
東京モノレールと京急の通常運賃の比較(編集部作成、以下同)

ちなみに京急には裏ワザがあって、天空橋でいったん改札を出て、再度乗車して目的地に向かうと運賃がわずかに安くなる。
羽田空港国内線ターミナル/羽田空港国際線ターミナルの2駅を発着とした場合、特定運賃の設定が認められている。ところが天空橋は対象外。そのため分割購入しても安くなる。

東京モノレールと京急の走行ルートの比較(編集部作成)
東京モノレールと京急の走行ルートの比較(編集部作成)

通常運賃では勝ち目のない東京モノレールは、様々な割引切符を導入している。主なものを一覧でまとめたが、東京モノレールはJR東日本グループだけあって、JRとの連携が充実している。

東京モノレールと京急のお得な切符の比較
東京モノレールと京急のお得な切符の比較

少々気になるのは、2015年4月1日以降、東京モノレールのお得な切符に若干の制約が加わることだ。
「モノレール羽割往復きっぷ」は地方空港17カ所に設置された券売機でしか買えなくなる(東京では発売しない)。
「東京モノレール沿線お散歩1dayパス」は土日祝のみの発売となる。

一方の京急。上の表の割引切符のほか、相互乗り入れしている都営地下鉄浅草線を利用した場合、「空港連絡特殊割引」といって60円ほど安くなる。自動券売機の購入金額がそうなっているほか、パスネットを利用した場合にも適用される。

東京モノレールの割引切符はお得感があるものの、4月1日以降購入場所や販売期間の条件が変わるのはマイナス。よって京急の勝ち。

本数はモノレール、速達性は京急

いくら料金が安くても、列車が混んでいたり、本数が少なくて待たされたり、所要時間がかかるのは嫌なもの。主な種別の所要時間と本数を調べた。

空港アクセス鉄道として開業した東京モノレール。6~8時と17~18時台は普通しか走っていない。日中は種別も増え、空港快速と区間快速が1時間当たり5本ずつ運行している。

京急が速達性を売りにしているエアポート快特は、品川から羽田までノンストップだが本数は多くない。
日中は快特が中心。途中京急蒲田しか停まらないのでエアポート快特に準ずるといっていい。
朝・夕はエアポート急行の割合が増える。停車駅が多いので、急ぐ人は京急蒲田で接続する別の列車に乗り換えた方がいいことも。

羽田空港の駅と都心を結ぶ鉄道の所要時間と本数(所要時間は編集部が任意に選んだ列車で計算)
羽田空港の駅と都心を結ぶ鉄道の所要時間と本数(所要時間は編集部が任意に選んだ列車で計算)

車両の構造についても触れておきたい。東京モノレールで昨年7月に運行を開始した10000形は、大型荷物置き場や公衆無線LANが設置されている。これなら数分余計に時間がかかっても、利用したい人は多いのではないか。

東京モノレール10000形のスーツケース用大型荷物置き場(公式サイトより)
東京モノレール10000形のスーツケース用大型荷物置き場(公式サイトより)

これらの条件から考えると、朝と夜は京急、日中はどちらでもOK、荷物が多い&移動の合間にスマホをいじりたいなら東京モノレールがいいのではないか。速達性では京急だが、本数の多さから東京モノレールに軍配を上げたい。

以上、4つの点で比較した結果、東京モノレールと京急の勝負は2対2の引き分けとなった。割引切符のルールが4月1日以降も変わらなければ、東京モノレールに軍配を上げるところだったが......。

余談になるが、東京モノレールは本当はコンクリートの上を走っている。なので厳密にいえば「石」道なのだが、鉄道事業法上は鉄道に分類されている。

10年後、強力なライバルが出現しそう

さて、羽田空港の利用者数の内訳は国内線が6216万人、国際線が1059万人。国内線はダントツの1位で、国際線でも1位の成田(2693万人)と2位の関西国際(1291万人)に次いで3位につけている。
2017年度には利用者数が8000万を超えると予測され、東京オリンピックの開催イヤーである2020年はさらに増えることだろう。

JR東日本は休止中の貨物線を利用し、2025年をメドに羽田アクセス鉄道を開業する意向を明らかにしている。

3番目のプレイヤーが加われば、利用客の獲得競争はさらに激化することだろう。そのとき、真の王者となるのはどこか。

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