なんかイメージと違う?修復ラッシュの京都で、「新しすぎ」の声が...
[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2015年2月17日放送で「文化財の修復ラッシュ」について取り上げていました。
京都市下京区の東本願寺では現在、本尊が安置される阿弥陀堂の修復工事が行われています。
1895年に再建された阿弥陀堂は2012年から初の大規模な修復に取り掛かり、屋根瓦およそ10万8000枚の葺き替えがすでに終わっています。
現在は壁や柱に金箔を貼る作業が進められていますが、金箔の厚みはなんと1万分の1ミリ。
金色にするには化学塗料を使う方法もありますが、それでは奥ゆかしさは表現できないといいます。
阿弥陀堂は2015年中に完成する予定ですが、その他にも創建当時を再現する修復があちこちで行われているのです。
新しすぎる世界遺産に異論も...?
京都市中京区にある世界遺産・二条城の唐門は、江戸時代初期の1625年に建てられ、2013年8月におよそ2億5000万円かけて、創建当時の鮮やかな極彩色が再現されました。
また以前は、歴史の重みを感じさせるような古びた佇まいだった、京都市宇治市の世界遺産・平等院鳳凰堂も2014年4月に修復が終わりました。
およそ1000年前、平安時代に創建された当時の、赤と白の鮮やかな色彩が復元されました。
屋根の上の鳳凰には金箔が施され、黄金の輝きも蘇りました。
一方で、観光客の中には戸惑ったという方も......。
「あまりにもキレイになっている外観が残念で違和感が......」「華やかになり過ぎて古さを感じない」といった意見が聞かれました。
平等院では発掘調査をを基に平安時代の姿や色を忠実に再現しているそうで、専門家からの評価も高いとのこと。
創建当時の姿を再現すべきなのか?
それとも経過した年月を重視すべきなのか?
復元作業にとっての難しい問題です。はっきりした結論は、なかなか出せなさそうですね。(ライター:ツカダ)