こんな苦労が...!美しい宮島を守ってきた「防災」への努力
紅葉の名所「紅葉谷」で景観を損なわないよう工夫された整備「庭園砂防」
昭和20年、枕崎台風により大きな石が流れ出て、下流にある厳島神社の境内を埋め尽くしました。急勾配にある紅葉谷は、今も土石流の危険性があるといいます。
そこで、景勝地ならではの整備が行われました。それが「庭園砂防」です。川自体が、大小さまざまな大きさの石を使った、土砂災害を防止するための施設になっているのです。
古くから風光明美なこの場所は、史跡名所にふさわしい、自然石を使った工事が行われました。巨石はそのまま使われているため、石組や配置などが工夫されています。
下流から上流部まで、川の特性に合わせて工事が行われました。上流部では、土石流の勢いを弱める「床止」という整備がされ、下流域では、土砂が堆積するように設計されています。
「庭園砂防」は、紅葉谷川全体の特性に合わせ、その長さはおよそ1400mにもなります。さらに上流では、土石流を直接止めるための「堰堤」という設備がおよそ15基ほど作られています。
また、多くの観光客が訪れる商店街でも、様々な防災対策が考えられていました。
多くの災害と向き合ってきた宮島には、いつ起こるか分からない、自然災害への心構えがあります。自然と共に生きるために必要な防災を考えていくことが、この島で生きていくことで大切なことなのです。(ライター:haruhana)