あまりに予想通りすぎた...「地元のうどんVS讃岐うどん」全国投票、結果発表
うどんが日本の麺文化の原点であることに、異を唱える人はそう多くないだろう。
江戸時代に信州そばが江戸を経由して全国に広まり、東日本=そばのイメージを持つ人もいるけれど、郷土料理としては「うどん」の方が明らかにバリエーション豊富だ。「うどん県」こと香川の讃岐うどん以外にも、各地にさまざまなご当地うどんが存在する。
Jタウンネットは2015年1月22日から2月17日までの32日間、「あなたが思う、真の最強うどん県はどこ?」というテーマでアンケートを実施した。
全国のご当地うどんの中から15種類をピックアップし、その中から1つ選んでもらうというもので、1697人に投票いただいた。
日本中からまんべんなく支持される讃岐うどん
讃岐うどんに支持が集まるだろうとは編集部も予想していたが、フタを開けてみたところ、その人気の高さは想像以上だった。全国の51.3%の人が「讃岐うどん」(香川)に投票している。「ほかの全うどんが力を合わせても讃岐うどんには勝てない」という圧倒的な強さで、得票数はもちろんダントツの1位だ。
「支持率○○%」の直下にある円グラフは投票者の居住地を地方別に示したもので、大きい円ほど得票数が多い。
上から5位くらいまではともかく、それ以下となると......。讃岐うどんと下位クラスの人気差は、ガリバーと小人以上の開きがあるといったらオーバーだろうか。
2番目に支持率が高かったのは、「博多うどん」(福岡)の9.1%。関東と九州で得票数の約88%を占める。一方で関西地方に住む人からの支持は低い。コシの弱い博多うどんを関西人は好きではないのだろうか......。
3位に入ったのは「武蔵野うどん」(東京・埼玉)で支持率は7.7%。得票数の98.5%が関東で、他地方からの支持はほとんどない。西日本からは1票も入らなかった。それでも3位につけたのは大票田の地元だったからにほかならない。
以下、4位が「稲庭うどん」(秋田)で支持率6.5%、5位が「水沢うどん」(群馬)で同5.9%と続く。人口が200万人以下の県にしては健闘したといえよう(もちろん香川は例外)。
6位以下の支持率はいずれも4.0%に達しなかった。
郷土うどん愛が強いのは香川だけじゃない!
次に、今回エントリーしたご当地うどんの地元県の投票傾向を横棒グラフにまとめた。全国的に讃岐うどんが強いけれども、秋田、群馬、富山、山梨、長野、三重、福岡、長崎、そして佐賀+大分はご当地うどんが1位となった(同率1位を含む)。
今回のアンケートで特徴的だったのは、普段は2ケタに達しないことも多い香川からの投票数が140票もあったことだ。ご当地うどんの名誉のためなら県民一丸になるということか――。同県における讃岐うどん支持は95.7%に達する。
それは群馬や福岡にも当てはまり、通常よりも投票数が多かった。
少し気になったのは、地元志向が強く、独特の食文化を育む土地柄といわれる愛知県の動向だ。「味噌煮込みうどん」(支持率23.1%)と「きしめん」(同7.7%)をはるかに上回り、讃岐うどんが48.7%の支持を集めた。
複数擁立で票が分散したと見ることもできるが、地元民はきしめんをあまり食べなくなったというのは本当かも知れない(参照:愛知県民のきしめん離れが深刻化、10年で生産量3分の1に...)。
讃岐うどんブレイクに一役かった「大阪万博」
ところで、第一次讃岐うどんブームが起きたのは、大阪万博が深く影響している。東京の寿司屋「京樽」が万博に店を出したとき、讃岐うどんも一緒に販売したところ、飛ぶように売れたのだ。延べ6421万人が来場した史上最大のイベントだっただけに、宣伝効果は絶大なものがあった。
折しも1969年から岡山と香川を結ぶ連絡船のデッキで、うどんの営業が始まっていた。これに目を付けた香川県が、積極的なPRに打っている。
瀬戸大橋が完成した1998年に第2次、1995年頃に第3次のブームがそれぞれおき、現在は第4次ブームの黄金期を迎えているが、その礎は大阪から始まったのだ。
最後にその大阪の結果を紹介しよう。支持率71%の讃岐うどん以外はほぼ横並びで、傾向としては香川に近い。
今回のJタウンネットの結果を見る限り、讃岐うどんの栄光は当面揺るぎそうもない。
最後に、地元・高松琴平電鉄の「ことちゃん」からのお言葉を紹介して締めくくりたい。
競うよりみんななかよくぞぞー/あなたが思う、真の最強「うどん県」はどこ? - Jタウン研究所 - Jタウンネット http://t.co/1OuxUVeMES @jtown_netさんから
— ことちゃん (@irucakoto) 2015, 1月 23