そんな理由で...?! 京都の「節分」名物行事が、まさかの大幅縮小
[ちちんぷいぷい - 毎日放送] 2015年2月4日放送で「吉田神社の火炉祭」について取り上げていました。
平安時代、都の守護神として御所の鬼門にあたる吉田山に創建された京都市左京区の吉田神社は、節分の厄よけ参り発祥の社として知られています。
節分の前日、2日の夜に行われる「追儺式(ついなしき)」は平安時代より伝わる節分行事の原型とも言われる神事です。
そして節分3日の夜に行わるのが「火炉祭(かろさい)」。
参拝者らが収めた古いお札やお守り、正月飾りなどを火炉と呼ばれる竹籠に集め、巫女によって清めたのち、火がつけられます。
炉の大きさは高さ5m、直径5m、お札などに宿る神さまに帰ってもらい一年の厄を祓うもので、日は三日三晩燃え続けると言います。
火炉祭は京都の節分には欠かせない神事として知られ、毎年豪快な炎で古都の夜を彩ります。
2015年も行われた吉田神社の火炉祭ですが、以前とは様子が違っていたそうです。
豪快な炎をお祭りのはずが......
今年も参拝者らがお札や正月飾りなどを収めて高く積み上げられましたが、神官が火をつけた先はなんと、大量のお札やお守りではなく、御幣(ごへい)と呼ばれる紙製の神具。
古都の夜を灯す豪快な炎が無かったのです。
結局最後まで火炉には火をつけず、今年の火炉祭は終わってしまいました。
なぜ火炉に火をつけずに終わったのか、それは「お札を燃やした後の灰の処分に困ったから」。
昨年までは灰を水で湿らせてから一般ゴミとして処理していましたが、その量はおよそ4トン。
2014年の夏に京都市から「火炉祭の灰を飛び散らないようにゴミ袋に入れて捨ててもらえませんか」と頼まれました。
と言われても並大抵の量ではない......、とすっかり困ってしまった吉田神社の宮司さんは、産廃業者に頼もうともしましたが条件が厳しい......。
さらに、毎年燃やしているものの中にはお札以外にビニール袋やぬいぐるみなども含まれていて環境にはあまり良くないんじゃないだろうか?と考え、神さまの魂を移した御幣だけを燃やして、お札などはそのまま市に回収してもらうことにしたのだそうです。
最初は、そんな理由で......と思ってしまいましたが、確かに灰の処分は難しい問題です。きっと神社の方も苦渋の決断なのだろうと思いますが......。ただ、豪快な炎がなく、残念に思う参拝客も多いらしいので、何かしらの方法で今までのような火炉祭を続けて欲しいですね。(ライター:ツカダ)