温かいそばに、ジュワッとコロッケが染みて...愛しの東京「コロッケそば」食べ比べ記
そばとカレーコロッケの混然一体
次に訪ねたのは、小田急線代々木上原駅の改札を出てすぐの「名代 箱根そば」。小田急レストランサービスが経営するチェーン店である。こちらのコロッケはカレー味。衣は柔らかいので、汁に浸すと崩れやすい。食べるたびに、カレー味のコロッケの中身がほろほろと崩れ、汁の中に溶けてゆく。汁はそれほど辛くはない、やや薄味だ。少しずつカレーそばのような風味も広がってくる。食べ終わる頃には、そばとカレーコロッケが混然一体となった状態となっている。値段は390円、コロッケを単品で頼むと120円だ。
最後にJR神田駅北口にある「名代 富士そば」を訪ねた。ここはダイタングループが経営するフードチェーンだ。衣はそれほど柔らかくはないが、コロッケの中身にコーンが入っている。コロッケを食べると、黄色のコーンがぽろぽろとこぼれ出してくる。汁は「焼津の鰹節と小豆島の醤油をじっくり寝かせたやさしい味」とのこと。けっして辛くはない、薄口である。値段は390円。店内には演歌のBGMが流れていた。
西洋からやってきたコロッケ。江戸っ子が愛したそば。その2つが組み合わさったコロッケそばは、まさに日本ならではの味わい――、
と思っていたのだがこのコロッケそばという料理、こんなにおいしいのに、関東以外ではあまり食べないという話を耳にした。
関西出身の編集部員も、「向こうではあんま見たことないですね」という。「日本ならではの味わい」とか言ってしまったのに、まさかローカルなメニューだったのか?
そこでJタウンネットでは、コロッケそばの普及度について全国調査を行うことにした。