お雑煮の「もち」、四角いですか?丸いですか? 都道府県別投票、結果発表!【年始特集「お雑煮」(1)】
境界線はどの辺り?
さて気になる境界線だが、北陸では富山県が角もち、福井県が丸もちで、その間にある石川県は角もち、丸もち同数だった。東海の岐阜・愛知・三重が角もちで、滋賀県は角もち、丸もち同数だった。京都・大阪は丸もちなので、どうやら石川県から滋賀県辺りが境界のように見える。
このテーマについて綿密な聞き取り調査を行った奥村さんは著書(『聞き書 ふるさとの家庭料理5巻もち・雑煮』農文協刊)の中で、次のように記されている。
一応この分岐ラインは新潟県糸魚川から富山県高岡、石川県金沢を経て岐阜県関ケ原、三重県四日市、松坂、熊野新宮を結ぶラインで東西に分かれる。東はのし餅を切った角餅、西は丸小餅地帯である。
ただ、一部の県で例外が見られた。東日本の中で、宮城県と山形県が丸もちとなっている。逆に西日本の中で、奈良県と山口県が角もちだった。
山形県酒田市などは北前船などによる上方文化の影響が強い土地柄のため、関西風の丸もちを用いるところが多いのかもしれない。
一方、宮城、奈良については、隣接する山形、三重の影響だろうか。手がかりのない山口を含め、事情をご存じの方がおられたら、編集部までご教示いただけると幸いだ。
次回は、もちを「焼く」地域と「煮る」地域の境界線を探る。
お雑煮のもちを「焼く」県、「煮る」県...その境界線が明らかに!?【年始特集「お雑煮」(2)】(2日公開)