愛知県民のきしめん離れが深刻化、10年で生産量3分の1に...
[ドデスカ!-名古屋テレビ]2014年12月3日放送全力リサーチのコーナーで、きしめん離れの理由について調査していました。
伝統の名古屋メシ「きしめん」が大ピンチ
最も古い名古屋メシ「きしめん」が、ピンチだとのこと。地元名古屋で進む「きしめん離れ」の理由を全力リサーチしました。
11月30日に名古屋の久屋大通公園で開催された「きしめんフェスティバル」きしめんに親しんでもらいたいと名古屋青年会議所が主催したもので、会場では一般的なきしめんに加え「味噌カルボナーラきしめん」などを無料配布。
他にも様々な仕掛けでお客さんに、足を運んでもらおうとしたのには理由がありました。
中部製粉工業協同組合によると愛知県のきしめんを含む平麺の生産量は、1998年は約1720tでしたが2009年には約660tと10年余りでおよそ3分の1に減少しています。
ただでさえ他の名古屋メシに比べ地味なきしめんですが、愛知県民に愛されていないのでしょうか?
きしめんを食べる頻度は?
きしめんフェスティバル会場に来ていた、愛知県在住の100人にに聞いてみました。
最も多かったのは「月に一回食べる」と答えた37人で、「週に1回」15人、「2週間に1回」10人と続きましたが、月に1回よりも少ないと答えたのは全体の3割で、「ほとんど食べない」と回答した人も10人いました。
そんな中「週に1回必ず食べる」と答えた方にお話しを伺うと、愛知県民ではなくお隣に岐阜県民でした。しかも毎週名古屋駅できしめんを食べるとのこと。
地元民には愛されず、他県民に愛されるきしめん?
実際に名古屋駅に向かってみると名古屋駅の新幹線ホームにある「名代きしめん 住よし」には、お店に入りきらないお客さんで行列ができています。
こちらお店は立ち食いスタイルで、あまり待たずにきしめんを食べられることから人気を集めています。
「出張で名古屋に来る時は絶対に食べる」など、リピーターも多く他県の方にはきしめんは愛されている様子です。
一体なぜ?きしめん離れの理由とは
数多くの名古屋メシを取材し全国に発信している、フリーライターの大竹敏之さんによれば「名古屋人がそももそもおいしいきしめんを知らない。これに尽きると思います」とのこと。
新幹線の開業とともに駅のホームで食べられる、きしめんの知名度は一躍全国区になり、名古屋メシ=きしめんのイメージも出来上がりました。
大竹さんによると昭和40年から50年代にかけて、そのブームに乗り名古屋市内には多くのうどん屋さんがオープンしたそうです。
しかし、きしめんとうどんの材料は同じなのに、薄いきしめんにうどんと同じコシにするのは手間がかかることから、手打ちから機械打ちへと変化していきました。
手打ちのおいしいきしめんを食べる機会が減少したことが、きしめん離れの原因では?と大竹さんは分析します。
さらに名古屋にもおいしい手打ちのきしめんを出すお店もたくさんあるとのことで、「それに気づいていない。名古屋の人自身がきしめんはうどんを薄くしただけと思っているのが問題ですね」とのことでした。
私もきしめんはうどんを薄くしただけ、と思っていたうちの一人でした......。一段と寒さも増してきたこの頃、おいしい手打ちきしめんで温まってみてはいかが?(ライター:神谷祐美)