「愛知県のワイキキ」西尾市の努力の方向性が凄い
愛知県の知多半島と渥美半島に囲まれた三河湾一帯。アサリやウナギの漁獲量、抹茶の生産量はいずれも日本有数で、夏になれば大勢の海水浴客や釣り客でにぎわう。
西尾市の宮崎海水浴場と恵比寿海水浴場は、2カ所の総称として「吉良ワイキキビーチ」と名付けた。景観が似ているからという理由で本家のハワイから許可をもらっているそうだが......(参考:名古屋のネーミングセンスはなぜインパクト満点なのか)。
ちなみに吉良という地名は、赤穂浪士たちに討たれた吉良上野介義央で有名な、吉良家の本拠地に由来する。
とはいえ観光地としては名古屋の陰に隠れがちで、その魅力が全国に伝わっているとは言いがたい。
そこで湾周辺の西尾市、蒲郡市、田原市、南知多町の3市1町はタッグを組み、観光客誘致事業「GOGO三河湾」に力を入れている。
今年のキャッチフレーズは「三日は居よう(三河はいいよ)、三河湾!」。結構苦しいダジャレが趣を感じさせる。
リニア開通前に何としても知名度を高めたい
2014年12月17日に起工式が行われるリニア中央新幹線。予定通りに工事が進めば2027年に名古屋市駅が暫定終着点となる。東京と愛知の交流がさらに活発になるのは必至だ。
同湾一帯は名古屋の日帰り圏内。名古屋中心部から西尾市まで、車で70分もあれば行けてしまう。そこで首都圏に向けて「連泊して三河観光を楽しんでください」とアピールし、今から旅行客を呼び込もうという狙いがある。
GOGO三河湾を推進する協議会は、(1)三河湾、(2)離島、海の駅と海道、(4)三河屋の4つを柱にキャンペーンを展開する。
このうち(4)の三河屋は、酒屋の代名詞として誰もが一度は聞いたことがあるだろう。そのルーツであることを武器にプロモーションを展開しようという作戦だ。
無料漫画も謎イベントも充実
漫画好きに向けたコンテンツも抜かりはない。西尾市に住む男女6人+1匹が繰り広げるファンタジー「ニシオノ」はウェブ上で連載中。もちろん無料で読める。
漫画「ニシオノ」vol.1 PV (YouTubeより)
さらに10月~12月にかけて、全国のかぼちゃが大集合する「かぼちゃサミット」が"かぼちゃ寺"こと妙善寺で開催される。冬至にあたる22日はその表彰式。ご神体ではなさそうだけど、神輿に乗った特大かぼちゃが練り歩く。
ハワイで三河屋で漫画でかぼちゃ、そしてダジャレ。すがすがしいまでの「なんでもあり」感で突っ走る西尾、ちょっと行ってみたくなってきた。