北海道発のキャラはなぜ「戦闘力高そう」なヤツが多いのか
北海道紋別のご当地怪獣「モンベモン」。その着ぐるみが2014年11月11日に完成し、紋別市役所でお披露目された。
モンベモンは、地元の特撮マニア「紋別ヒーロー倶楽部」が3年前に開発したキャラクターだ。はるか昔に紋別の守護獣として生息していたが、ひょんなことからオホーツクの海底で仮死状態に。地球温暖化により目覚め、現代の紋別に上陸して大騒ぎ――という設定になっている。
ゴリラとアザラシが融合したかのような風貌は見るからに凶暴そうだが、性格は温和。オホーツク海から顔を出しては皆の生活をやさしく見守っているという。
当初はフィギュアやストラップを作って販売したところ売れ行き好調で、市の補助を受けて着ぐるみ製作に踏み切った。
強そうな道産子キャラはほかにも
北海道には「ほのぼの系」マスコットも少なくないのだが(参照:無理やり感漂う? 北海道のゆるキャラ「つくつくオホーツクん」)、全国的に名を知られているのは野性味あふれるキャラクターがなぜか多い。
夕張のメロンを食い荒らす「メロン熊」はもちろんのこと、内臓を振り回す小樽発のゾンビ熊「ゾンベアー」など、カワイイ一辺倒ではなく、戦わせたらかなり強そうな連中が多い。うつろな目でうっすら笑みを浮かべる北斗市公式の「ずーしーほっきー」も、別の意味で強者オーラを出している。
澄み渡る青空の下で内臓を見せつけるゾンベアさん pic.twitter.com/noVeDXJbNq
— ちぃ (@nemu_nyanko) 2014, 10月 20
Google検索でも、「北海道 ゆるキャラ」と入力すると、(筆者の環境では)「怖い」というフレーズが候補として表示される。なぜ、北海道のキャラたちはこうも怖い......もとい力強いのか。
「試される大地」だからこそ?
ゆるキャラといえば、メロン熊などと同じく熊をモチーフにした熊本県の公式キャラ「くまモン」が有名だが、九州地方に熊がいないこともあって、どこかおっとりしている。少なくとも、メロン熊と比べればその迫力の差は一目瞭然だ。
雄大な自然で多くの観光客を魅了する北の大地。夏と冬の温度差が大きく、真冬の内陸部はマイナス20度を下回ることも珍しくない。その自然の厳しさは、ネット上でも「試される大地」(元々は観光PR用のフレーズなのだが...)と揶揄されることがしばしばだ。野生動物の種類・数も豊富で、ヒグマやエゾシカ、キタキツネは道全域でしばしば目撃される。
アイヌ民族は、氏族ごとに特定の動物を守り神(トーテム)として奉じ、結束して厳しい自然環境の中で生きてきた。これと比べるのはさすがに的外れかもしれないが、北海道のゆるキャラの力強い姿には、「試される大地」だからこその豊かな生命力が息づいているようにも見える。