「大阪では『あのね』が敬語」というテレビ番組の真偽を確かめてみました
7年以上にわたって全国のご当地ネタを取り上げている人気番組「秘密のケンミンshow」。讀賣テレビ制作だけあって大阪の話題がしばしば登場する。
知られざる県民性に目から鱗が落ちることもしばしばだけれども、2014年9月18日放送の「大阪では『あのね』という呼びかけを敬語として使う」説については、ネットを中心に賛否両論が渦巻いた。
2ちゃんねるでは否定派が優勢で、ツイッターだと肯定派・否定派が半々くらいの印象だったが、実際のところはどうなのか――編集部でも話題になった。
●東日本
使わない率が高いのは東日本だ。とくに北海道と東北は「普通に」「状況に応じて」は1票も入らなかった。
東海と甲信越北陸でも「普通に」と答えた人は誰もいない。関東で「普通に」と答えた人もわずか1.9%いただけ。
●京阪神
今回のアンケートの57.9%は関西からの投票で、問題に対する関心の高さがうかがえる。
その関西地方だが、「普通に」と答えたのは4.8%のみで、「状況に応じて」の12.4%を足しても20%に達しない。「あのね=敬語」は明らかに少数派なのだ。
番組が取り上げた大阪の場合、「普通に」と答えた人はわずか4.3%で、「状況に応じて」も11.9%しかいない。全国平均にかなり近い結果だ。「普通に」の得票率は京都と兵庫の方が高く、どちらも10%を超えた。
関西地方は「不快ではない」の得票率もやや高い。とくに京都は35.3%に達する。他の地域より、目下の人に「あのね」と言われても、比較的抵抗がないことは間違いないようだ。
それでも「あのね」が通用するのは約半数にとどまる。たとえ相手が関西人であっても、敬語として用いるにはやはりリスクがありそうだ。
●西日本
四国は意見がきれいに分かれたが、そもそも投票数の得票数が少なかった。
中国地方の場合、「普通に」と「状況に応じて」を合計した割合は関西に近いけれども、約7割が「嫌」と回答している。
九州・沖縄地方の「普通に」と「状況に応じて」の合計は6.2%。「あのね」を使っている人は関東よりも少ないことがわかる。
結論。関西に転勤しても、上司に「あのね......」と話しかけるのは、できるだけ控えた方がよさそうだ。