鳥取&岡山の共同アンテナショップが予想外に良かった件について
鳥取県と岡山県は2014年9月28日、共同アンテナショップ「とっとり・おかやま 新橋館」を東京の新橋駅前にオープンした。
鳥取は近くにあった旧店舗を新店舗に統合、一方の岡山はアンテナショップを東京に設けるのは初となる。
中国山地を挟んで接する鳥取と岡山。江戸時代に両地域を治めていたのは、どちらも戦国時代の武将・池田輝政の子孫たちだ。「藩主が同じ池田家だったから」という意識が根底にあるからかどうかは不明だが、「もも(桃)てなし(梨)」を合言葉に協力してご当地PRに努める。
桃と梨を組み合わせたアイコンは恋人同士が手を合わせて作るハートみたいで、微笑ましいハーモニーを醸し出している。
マスカッツ「瀬戸ジャイアンツ」がお買い得!?
筆者が現地へ着いたのは14時過ぎのこと。「オープンは10時。さすがに空いているだろう」と甘く考えていたが、現地に到着すると入場制限をしている......。警備員は「午前中はこんなもんじゃなかった」と話していた。
10分くらい待って入館することができた。
この時期は鳥取を代表する「二十世紀梨」や岡山の「マスカット」がおいしい季節。選りすぐりのフルーツがエントランス付近にどーんと並べられている。岡山を代表する果物の桃はやや少な目。収穫時期を過ぎたからかもしれない。
マスカッツを見比べていると、隣の男性客がポロっとつぶやいた。
1房2500円の「瀬戸ジャイアンツ」、これ高級百貨店だったら5000円はするんじゃない?
約800メートル離れた場所にある銀座三越では、9月24日から30日まで「晴れの国おかやま 岡山フェア」を開催中。瀬戸ジャイアンツも扱っている。三越の価格は確かめていないが――時間に余裕がある人は掛け持ちするのもありだろう。
話をアンテナショップに戻そう。
果物のほかに菓子やチルド食品、飲料、酒、野菜なども置いてあり、約1500点が並ぶ。
岡山は備前焼の産地としても知られている。民工芸品も扱っているが種類を絞っている印象で、アンテナショップにしては食の比重が高め。
2階にはオシャレなビストロカフェもあるよ
1階のショップは22時、2階のビストロカフェ「ももてなし家」は23時まで営業(ラストオーダーは22時30分)。閉店時間の遅さでは全国のアンテナショップでも1、2を争うのではないか。仕事帰りのアフターでも十分利用できそう。
両県の食材を洋風にアレンジして提供している。時間帯によってメニューは変わり、筆者が利用した14時30分~17時は「カフェタイム」だった。
筆者は「ももてなし家フレンチトーストいちじくと梨」を注文。「大山&蒜山牛乳のカフェオレスムージー」もオーダーしたが、待っている間に材料がなくなってしまったらしい......残念。
食べ進んだ後で撮影することを思い出し、あわててシャッターを切る。実の詰まったいちじくと濃厚な牛乳を使ったクリームが良かった。価格は800円。
メニューはほかにフレンチトーストがもう1種類と、パフェとヨーグルトが1種類ずつ、ソフトクリームは2種類あった。ドリンクはコーヒーとティー、ジュース・スムージーは梨やブルーベリーを用いたものがある。
カフェタイム以外だと、おかやま和牛、大山鶏、ピーチポーク、日本海&瀬戸内海で採れた魚介類の料理も味わえる。
階段を上がったところには「観光・移住コーナー」があった。両県の自治体のパンフレットも近くに置いてあり、ゆる~い雰囲気が漂っていた。
2階の奥は催事スペースになっていて、BIZEN中南米美術館の「歌える」ゆるキャラ・ベッカリーのステージが行われていた。
筆者の前の席の中年女性は、まるでジャニーズ事務所のタレントを写すかのように、スマホのカメラ機能で撮影しまくっていた。
続いて行われたゆるキャラ撮影タイムではくまモンが乱入。会場は大いに盛り上がる。
店内を巡回していると、スタッフはもちろんのこと、客の多くがご当地の方言をしゃべっている。連れの恋人らしき人に「これよ、これっ!」と興奮しながらご当地フードを解説する光景をしばしば目撃した。
筆者もいくつか商品を購入したので、次の機会にご紹介したい。