金町のヨーカドーの屋上にはなぜか「自動車教習所」がある
JR常磐線金町駅は東京都葛飾区の北部の拠点として賑わう町だ。かつては都内有数のヤンキー地帯として名を馳せたこともある。
北口は昔ながらの商店街が残っていて、その一角にあるイトーヨーカドー金町店は1973年に開業した。いわゆるお買い物激戦区にあり、500メートル圏内には東急ストアやマルエツ、2キロ圏内には同じセブン&アイグループのアリオ亀有がある。
身内ですら競合関係にある厳しい環境だが、同店から徒歩3分ほどのところに東京理科大学葛飾キャンパスが2013年4月に開校した。大学から金町駅までの通り道に面していて、工夫次第で集客が期待できそう。
さて、大学生になった若者が最初に欲しいものといえば運転免許証。読者の中にはキャンパスから遠く離れた自動車教習所まではるばる通った人も少なくないだろう。
免許取得の点で東京理科大生は恵まれている。なぜなら、イトーヨーカドー金町店の屋上が自動車教習所になっているからだ。
地上型の教習所では味わえない体験ができる!?
「セブン&アイは教習所もやっているの?」と思った人もいるだろうが、金町自動車教習所は地元でタクシー業を営む坂本自動車株式会社が経営している。
以前から教習所としては存在していたが、スーパー開店と同時に立体化したようだ。
商業施設と教習所の一体型は金町だけではなく、ダイエー笹丘店屋上の「マイマイスクール笹丘」(福岡市中央区)、ジャスコ札幌桑園店屋上の「桑園自動車学校」(札幌市中央区)がある。
教習所入口は同店の裏側にある駐輪場付近にあり、階段で上がった3階に受付がある。
待合スペースから見渡すコースは十分な広さで、とくに坂道発進練習用コースは一般的な教習所のそれよりもデカい。
仮免を取得した後の路上教習を受ける場合、どうやって外に出るのか気になった。聞いてみたところ、屋上から地上に出られるスロープが建物内にあるそうだ。坂道の練習は申し分なさそう。
教習所周辺は人通りが多く自転車利用者も多いが、狭いところもある典型的な東京の道路だ。こういうところで練習すれば免許取得後の苦労は少なくて済むのではないか。
同教習所は東京都公安委員会指定で、20時30分まで講習が受けられる。ペーパードライバー講習も実施しており、社会人や主婦にはうってつけだ。
ホームセンターも個性的
教習所の見学が終わり、下の階に立ち寄った。
ホームセンターは新業態の実験店として2008年にオープンしたという。かつての衣料品コーナーを改装したが、食料品売り場も1階で営業を続けている。
ホームセンターは1階の一区画と2階の全フロアーを占めている。郊外にある巨大店舗ほどの品揃えではないが、金物や工具といったDIYグッズやペットフード、園芸関連商品などが並ぶ。駅前としては中々のラインナップだが、家電や収納グッズは商品構成を絞っている印象を受けた。