やっぱり楽しい「都道府県の旗」の世界
都道府県の旗は、意外と面白い。
多くは県名や地形、地元の有名スポットなどを図案化したもので、その由来自体にはあまりバリエーションがない。中には思いっきりかぶっているものもある。
にも関わらずそのデザインは、スタイリッシュなものから正直ちょっと...なものまで千差万別だ。ある意味ではそこに、住む人々の県民性が出ていると言えなくもないかもしれない。
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意外と楽しい「都道府県の旗」の世界
ちょっとレアなアルファベット編
たとえば長崎県の旗。県名由来のほとんどが「漢字」「カタカナ」「ひらがな」をモチーフにしている中、見ての通りアルファベットの「N」を用いている。同様の例は、「O」と海のイメージを重ねた沖縄県しかない。47都道府県中2県という、かなりレアなパターンだ。
長崎は江戸時代唯一の海外への窓口とされた地であり、また沖縄は歴史的経緯により今なおアメリカ文化の影響を強く受ける。珍しいアルファベット由来は、まさに両県ならではのものだ。
富士山はどっち?地形・名所編
一方、あまり個性のない県旗の中には、「他県の旗にしても問題なさそう」なものも多い。長野と奈良など、背景にある理由はさておき、どちらも「ナ」をモチーフにしているくらいだから、ある日入れ替えられても困ることはないだろう。
そんな中、「他県では使えない」のが青森県の旗だ。見ての通り、青森の形をそのままデザインにしている。「都道府県旗かるた」があれば、覚えやすい青森争奪戦になることは間違いない。
やはり地図上の形がモチーフなのは鹿児島県。右下がちょっぴりへこんでいるところが自己主張を感じさせる。
名所系の代表格は、「富士山戦争」でおなじみの静岡と山梨。県の旗でも、お互い当然のように富士山をデザインに取り込んでいる。山梨の方が制定は少し早い。後発の静岡としては、どうあっても富士山を使わざるを得ない状況だっただろう。
脱力するダジャレ&よくわからない編
「都道府県名」「地形」「名所」が大半を占める中、あえて変化球で来たところもある。
埼玉県は、「勾玉」がずらりと並んだデザインだ。埼玉の語源ともされる「幸魂(さきみたま。『幸福を担う魂』を意味する神道の概念)」をイメージしたものだという。由来が由来だけに、他県とは一線を画すちょっとオカルトチックな雰囲気が漂う。
もう1つ特殊なパターンとして取り上げたいのが、「ダジャレ系」。地名系のバリエーションだ。
上記の島根県の旗だが、よく見ると「マ」が4つ、すなわち「4マ」、つまり「シマ」。由来に気付くと、思わず脱力してしまう。
「ダジャレ系県旗」は島根県のみだが、「県章」では、佐賀県の例がある。こちらは「カ」が3つ、「3カ」で「サカ」。ちょっと苦しい。
こうして由来を知るとなかなか興味深い「都道府県の旗」。皆さんが好きなのは、どの都道府県のデザインだろうか。