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7月16日は「駅弁記念日」、4月10日も「駅弁の日」...なぜ2つも記念日が?

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.07.16 18:28
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鉄道で長い時間を移動するとき、駅弁を楽しみにしている人は少なくないだろう。交通機関の高速化の影響で以前ほどの売上はないと言われているけれども、食堂車やビュッフェ(半室食堂車)がほぼなくなった今、その需要は根強いものがある。実際、全国の百貨店で開催される駅弁イベントはどこも大盛況だ。

1885年7月16日、半官半民の日本鉄道によって大宮~宇都宮(現在のJR東北本線)が開業。地元で旅館を経営していた白木屋が、握り飯2個にたくあんを竹の皮に包んだものを5銭でホーム売りした。これが日本初の駅弁とされ、7月16日は「駅弁記念日」となっている。

写真はイメージです(contriさん撮影、Flickrより)
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宇都宮駅前には「駅弁発祥の地 宇都宮」の大看板が掲げられている。地元で駅弁を手がける松廼家が出している広告だ。駅構内にも同様の宣伝が見られる。

ところが、宇都宮より早く駅弁が販売された駅があるという説が相次いでいる。

大阪、神戸、上野、熊谷、高崎、小山の各駅が「うちの方が早い」!? 

日本鉄道の最初の路線は、1883年7月28日に上野~熊谷間(現在のJR高崎線)で開通した。東北本線は大宮で分岐する形で遅れて開業したのだが、上野と熊谷の両駅が先に駅弁を発売したという説がある。当時の所要時間が2時間24分だったことを考えると、駅弁を扱った可能性は十分にある。
ウェブサイト「駅弁の歴史」によると、同鉄道が1883年に発行した書物にそのような記録があるという。

高崎線は1884年5月1日に高崎まで延伸開業するが、同駅でも駅弁を販売したとする説もある。

さらに東北本線が開通した際、途中駅の小山でも宇都宮駅と同じ日に駅弁を発売したという説も唱えられている。

もっとも古いのは1877年に梅田駅(現大阪駅)と神戸駅で売っていたとする説だ。西南戦争に出征するため、兵士たちは鉄道で神戸まで行き、そこから船で戦場へ旅立った。彼らに提供する弁当を販売したという。当時、関西地方における東海道線は京都~大阪~神戸間が開通したのみ。それでも上野~熊谷間より距離はあるので、可能性がないとはいえない。

神戸市東灘区にある「淡路屋」は1903年創業の駅弁会社だが、同社のサイトには次のように書かれている。

駅弁の発祥の地である神戸。数少ない駅弁に関する記録によると、明治十年、神戸駅において駅弁は生まれたそうです。それから三十年近くのちの明治三十六年、淡路屋は駅弁屋を誕生させました。
※編集部注:明治十年は1877年。

ところで、社団法人日本鉄道構内営業中央会は、4月10日を「駅弁の日」に定めている。その理由は、弁当の「弁」の文字が4と十の組み合わせでできていて、「当」は(とう)になることから4月10日としたという。なかなかとんちの利いた理由だ。かなり知恵を絞って考えたに違いあるまい。ちなみに中央会のメンバーには松廼家や淡路屋も名を連ねている。

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