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遅刻厳禁の社会人ですが、東武東上線がまた止まりました

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.06.14 07:00
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東京豊島区池袋と埼玉県寄居町の75キロを結ぶ東武東上線は、2014年で開業100周年を迎えた。沿線住民は祝福ムードと思いきや、「施設の改善を!」「運行トラブルをなくして!」「いい加減にしないと沿線から出てくぞ!」という声の方が圧倒的に強い。

それを象徴する事件が2014年6月11日に起きた。鶴ヶ島~霞ヶ関間の踏切でトラックが爆発炎上し、約4時間半運転を見合わせたのだ。幸い死傷者は出なかったものの、車両が燃える映像はツイッターやニコ動にアップされ、「東上線終了のお知らせ」といった辛辣なコメントが数多く投稿された。

なにかと「よく止まる」印象

他の沿線住民にとっては衝撃的な出来事だったが、当の東上線沿線は「またかよ...」と諦めにも似たため息をついている。もちろん、首都圏では電車が止まるのはある意味日常茶飯事ではあるのだが、東上線で最近発生した主なトラブルを並べてみると、いちいち理由がぶっとんでいる。

【2013年】
・1月21日-男性が元交際相手と若葉駅ホーム上でもみ合って線路に転落、2人ははねられ重傷(男性が無理心中を図ったという見方も)
・1月23日-上福岡駅で駅員が寝坊したため、列車の遅れや部分運休が発生。運転士が事務室のドアガラスを割って駅員を起こす事態に
・4月29日-池袋駅で蜂が大量発生、一時運転見合わせ
・9月 9日-またもや蜂が発生
・10月15日-みずほ台駅へ到着した電車のパンタグラフが突然爆発し、車内が停電
【2014年】
・1月29日-踏切待ちで運転手が車を離れたところ、無人の車が踏切内に侵入し列車が衝突→大破

こうした目立つ事故の多発が、「トラブルが多い」という印象につながっている感は否めない。

印象面だけでなく、人身事故の発生数も全国有数で、利用者数で割った率はJRを除く私鉄で日本一というデータもある。施設内に車や人、動物が侵入するのは鉄道会社のせいではないけれども、防止策が後手に回っているのではないかと怒りの声が利用者から出てくるのは理解できる。

東上線だけに影響がとどまるならまだしも、同線は東京メトロ有楽町線・副都心線、東急東横線、横浜高速みなとみらい線と相互直通運転をしている。運行トラブルが発生すれば先の4路線に加え西武池袋線にも影響を与える。

もちろん強みもある。副都心線乗り入れで都内へのアクセスは向上、地方からの上京者で沿線に住まいを探す人は少なくない。成増のキャバクラに勤める女性は某県の山奥出身なのだが、「渋谷や原宿まで乗り換えなしで行けてしかも家賃が安い」という理由でこの界隈に住んでいると話していた。

しかし、この状況が一向に改善されないようでは「次に住む場所は別の沿線で」とマイナスのレッテルを貼られかねない。実際、あまりの運行トラブルに嫌気がさして引越しを決意する人も出ている。

そういえば沿線の朝霞市にはかつて米軍基地があり、その跡地に国家公務員の官舎を建設する計画があった。「公務員優遇だ!」という世論の声に押され中止となったが、今振り返ると建物はともかく意外と不便なロケーション的だったのではないか。

中央官庁の役人にとって電車遅延で勤務が遅くなることはあってはならないことのはず。彼らが東上線の姿を痛感することで、「これはなんとかしないとヤバイ」という気運が生まれたかもしれないのだが、惜しいチャンスを逃したものである。

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