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「なんであんなところにあるの?」 広島駅から1時間...広島空港の事情

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2014.05.15 18:03
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中国地方の中心都市(と住民は少なくとも自負する)広島、その空の玄関口が、三原市にある広島空港だ。

ただしこの玄関、肝心の居間(広島市内)まで微妙に遠い。我が家ならばちょっとしたビフォーアフターを頼みたくなる。

利用者数はピークの80%以下まで減少

2014年6月27日、広島空港に国内線LCC(格安航空会社)が初就航する。東京(成田)~広島の片道運賃は最安値で5690円で、ANAやJALの既存路線、新幹線と比べてもかなり安い。

中国地方で最も利用者数の多い空港にLCC就航がなかったのは意外だが、実は広島空港の利用者数は減少し続けている。

2014年5月14日付けの中国新聞は、広島空港の周辺自治体3市2町からなる「広島臨空広域都市圏振興協議会」の総会が三原市のホテルで13日に開催され、出席者の間から利用者数減少を懸念する意見が相次いで出されたと報じている。

上空からみた広島空港。山の中だ(Hideyuki KAMONさん撮影、Flickrより)
Hiroshima Airport (HIJ/RJOA)

一帯はのどかな山の中

同空港は1993年10月に開港した。2003年に年間利用者数が過去最高の約316万人に達したものの、その後は緩やかに減少して2011年は約250万人まで落ち込んだ。

利用客の約8割は東京~広島便で、その多くはビジネス客。LCCが就航していなかったのも出張需要になじまなかったと思われる。

利用者から出る不満は「アクセスの悪さ」だ。

降り立ったことがある人ならわかると思うが、一帯はのどかな山の中だ。目を凝らしてみても、広島市どころか周辺の街もなかなか見えず......。当時の新聞記事によれば建設に当たって真っ先に出た反対意見が「遠い」ことだったと言うが、今もそれはなかなか変わらない。

最寄駅はJR山陽本線・白市駅で約8キロも離れていて、芸備バスが白市駅と空港の連絡バスを走らせている。山陽本線をみると、朝に3本ある快速通勤ライナーを除けばすべて普通列車で、白市駅~広島駅の乗車時間は47分。仙台のように空港アクセス鉄道でも開通しない限り利用しにくい。

ならば空港バスはどうか。広島電鉄、広島交通、広島バス、芸陽バス、中国JRバスの5社が乗り入れている。時刻表通りならバス+鉄道よりも若干早いが、それでも1時間近くはかかる。道路なので遅延する可能性はもちろんある。

なんでこんな山奥なの!?

山を切り崩して作った広島空港にも長所がある。滑走路が高い所にあるため平地に届く騒音が少なくて済むのだ。近年開港した岡山空港や福島空港、富士山静岡空港も同じような条件の場所に立地している。関西国際空港のような沖合に作ると莫大な費用がかかる。

市内の中心部に近かった旧広島空港のままの方が良かったのでは? という声も根強い。しかし現空港とは反対に、山や島に囲まれたいわば「すり鉢の底」に位置する。そのため離着陸に難があり騒音も大きい。拡張するのも困難な場所だったため現空港が建設されたというわけだ。

せめて現広島空港の鉄道アクセスを改善できないものか。仙台のように地元自治体が出資して第三セクターをつくり、山陽本線まで短絡線を敷くという手もあるが、財政上の問題をクリアしなければならないし、バス会社の経営を圧迫しかねない。なによりJR西日本は山陽新幹線を運行するライバル相手。応じてくれるかどうか。

いっそバスに乗る前に売店で名物・もみじまんじゅうや「海軍さんの麦酒」でも買って、中心部までの旅をゆるりと楽しむぐらいの度量が、広島空港利用者には求められるのかも。

広島空港 もみじまんじゅうクッションなど
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