千葉県民の悲願、京葉線とりんかい線の相互乗り入れが実現しない理由
東京ディズニーランドへ電車で行ったことのある人なら必ず乗るであろうJR京葉線。始発駅である東京駅のホームは、他路線との乗り換えが著しく不便な場所にある。混雑する構内をひたすら歩き、動く歩道にエスカレーター......だいたい10分弱といったところか。
ディズニー客ならまだいいが、日常的に京葉線を使って東京に向かう千葉県民にとっては、もちろん不満の種だ。
一方、途中の新木場駅は東京臨海高速鉄道(りんかい線)の起点・東京メトロ有楽町線の終点で、ここで京葉線とりんかい線は連絡線でつながっており、相互乗り入れ・直通運転が可能な状態になっている。過去、関係者向けに直通列車が臨時運行したこともあった。
りんかい線分の運賃回収が課題
千葉県民には大歓迎だし、他の首都圏住民にとっても便利になる、一見誰もが「速やかに実施してほしい」と思う相互乗り入れ・直通運転プラン。しかし課題もある。例えば京葉線からりんかい線を経由して埼京線方面に抜けた場合、改札を通らなくて済むのでりんかい線分の運賃は加算されず、JRのみの運賃で計算されてしまう。りんかい線は東京都が大株主の第三セクター。莫大な建設費がかかったことから現在も割高な料金体系となっている。これが徴収できないとなると大問題だ。
2014年5月13日、都内で開かれた「関東地方知事会議」の定例会に出席した森田健作千葉県知事は、京葉線とりんかい線との相互乗り入れ・直通運転を、2020年の東京オリンピックまでに目指すと発言した。
熊谷俊人千葉市長も2013年12月の市議会で同じ趣旨の発言をしている。2016年度にも「ホームライナー号」の試行運行を鉄道事業者と協力して実施したいと話した。利用客が購入するホームライナー券にりんかい線分の料金を加算すれば、懸念も解決されるというわけだ。ただ、ホームライナーで恩恵が受けられるのは利用者の一部に限られる。
いっそ、りんかい線ごとJR東日本に買い取ってもらうのが理想だけれども......東京メトロと都営地下鉄の統合よりもおそらく難しい。多くの関係者が妙案を求めて頭をひねっているけれど、なかなか出てこないのが現実だ。