【1個500円】値段もサイズも超ビッグ! これが横浜中華街の名物肉まんだ
中華街に蔵造り風の店構え!?
久しぶりに訪れた横浜中華街はGWということもあって激混み。すれ違う人の話すイントネーションは様々で、全国から観光客が集まっているのだなと実感する。
横浜中華街は「値段が高い」というイメージがあるけれども、店先で販売されている中華まんは手ごろな値段ですぐ買える。一口食べただけで「中華街に来たぞー!」という気分にさせられる魅力を持っている。
中華街大通りを歩いていると――豚まんを強調する店に出くわした。「江戸清」だ。中国様式の建物は四角形&左右対称なデザインを好み、赤と金をふんだんに使うのが特徴。ところが、江戸清のそれは蔵をイメージしたもので、周囲と明らかに一線を画している。
看板には「創業明治二十七年」の文字が。そんなに古くから日本で豚まんを売っていたのか? 本当かな......」。そんな疑問を抱きつつ市場通りに入ると、またもや江戸清の店が! グルメ番組で芸能人が訪れたシーンを、店頭の液晶テレビで繰り返し流していた。スマートフォンで検索してみると、横浜中華街に4店舗を構える有名店のようだ。
「いくらするのだろう。551蓬莱は確か1個170円だった」。そう思いつつ目を向けると――えっ、1個500円!? でもまあ、観光客向けのプライスだから仕方ないか。それに見合った味だといいな...そう自分に言い聞かせて1個買った。
混雑する通りで食べ歩きをするのはさすがにマナー違反。中華街を離れて、近所の公園らしき場所で食べることにした。
ビニール袋から取り出したのが上の写真。たまたまかもしれないが、2013年夏に食べた「ひみつ堂」(東京・谷中)のかき氷に、皮の雰囲気がちょっぴり似ている。
※2013年8月7日付け記事驚きの5時間待ち! それでも美味しかった谷中の「ひみつ堂」参照。
551蓬莱の皮は弾力性があったが、江戸清のそれはコンビニの肉まん並みの柔らかさ。
2つに割ってみる。確かに餡(あん=中の具)の量は多い。551蓬莱と比較すると2倍以上は確実にある。
551蓬莱の肉まんは皮の美味しさが際立っていて、餡の少なさをうまく補っていた。それに対して江戸清は具で勝負。豚肉とショウガはもちろんのこと、筍(タケノコ)などの野菜も入っている。エビ、紅ズワイカニも食材として使われ、重量は250グラムあると、公式ウェブサイトに書かれている。食材が多いのか、ショウガが控えめなのか理由は不明だが、スパイシーさは少し後退している。
不思議だったのは、551蓬莱よりも皮は薄いのにもかかわらず、手が肉汁で汚れなかったこと。撮影後速やかに手を洗う準備をしていたが、手をパンパン!と払うだけで済んだ。確かに食べ歩き向きだ。
値段でいえば、江戸清の豚まん1個は551蓬莱の豚まん3個に相当する。常設店の販売エリアが重なる可能性はなさそうだが、もし実現したらどちらの方が売れるだろうか。
自宅に帰って調べてみると、江戸清は元々食肉卸。豚まんの販売を始めたのは1989年、つまり平成だ。卸先である中華料理店は既に中華まんを販売しており、競合しないようこのサイズ・値段になったという。そういえば中華街の他店の豚まんは300円前後が相場だったような。
江戸清ではフカヒレまんや回鍋肉まん、クルミ入り黒ゴマあんまんなども販売している。他店でもフカヒレまんはよく目にした。今度は違う餡の中華まんも試食してみたい。