日本中がいつの間にか「芝桜」だらけになっていた件

東京で桜が満開だったのは約1カ月前の3月下旬。見事に咲いた花もあっという間に散ってしまった。それに比べて北米原産の「芝桜」は咲く期間が長い。

寒暑や乾燥に強く、だいたい4月中旬から5月中旬までが関東地方の見ごろ。つまりゴールデンウィークが旬の時期――この特性が受け入れられたのか、気がつけば全国各地に芝桜スポットが増えていた。その盛り上がりたるや、クリスマスシーズンのライトアップにどこか似ている。

芝桜No.1はどこ！？

全国的に知られている観賞スポットの1つが埼玉県秩父市の「芝桜の丘（羊山公園）」だ。2000年ころから芝桜を植え始め、その美しさがテレビなどで取り上げられるようになり、2013年は約1カ月間で58万人ほどが現地を訪れた。徐々に面積は拡大し、現在は40万株以上が植えられている。西武鉄道や秩父鉄道は臨時列車を運行、駐車場は常に混雑している。

その倍以上のスケールを誇るのが、富士本栖湖リゾート（山梨県富士河口湖町）の「富士芝桜まつり」。2008年からはじまったこの企画は、世界遺産に登録された富士山をバックに約80万株が咲き誇る。ウェブサイトのURLも「shibazakura.jp」と気合が入っている。

臨時電車が走る公園も

「織姫が置き忘れた桜色の羽衣（はごろも）」をイメージしているのは高崎市の「みさと芝桜公園」。2001年に植栽がはじまり、2.9ヘクタールに約26万株が咲く。

2006年にオープンした「市貝町芝ざくら公園」（栃木県）も今が見ごろ。本州最大級規模をうたい、総面積は約2.4ヘクタールある。

東武鉄道のグループ企業が運営する「ザ・トレジャーガーデン館林」（群馬県館林市）は、25万株の赤・白・ピンク系の芝桜が咲き誇る。ゴールデンウィーク期間中、東武鉄道も臨時特急列車を走らせる。

関東を中心に紹介したが、日本の芝桜の本場と言うべき北海道大空町では、5月3日から6月8日まで「第31回　ひがしもこと芝桜まつり」が開催される。5月18日にはミュージシャンのダイヤモンド☆ユカイがライブステージを行う。

半世紀の歴史を誇るところも

岐阜県郡上市では、1961年からおばあちゃんがコツコツ管理している「國田家の芝桜」が有名。1992年には「農林水産大臣賞」、1996年には「内閣総理大臣賞」を受賞している。

これら以外にも、地元の人たちに芝桜の名所と親しまれている場所は数多くあるだろう。ご存じの方は、ぜひ投稿をお寄せいただきたい。撮影した写真や、これから出かける人へのアドバイスもいただければ幸い。本記事で取り上げたスポットの訪問記も大歓迎。