九州名物・豚の角煮は「三ツ矢サイダー」さえあれば自炊経験ゼロ男子でも美味しく作れる
進学や就職で1人暮らしを始めた男子にとって、最初の関門の1つが「料理」ではないだろうか。外食やスーパーの惣菜、冷凍食品、コンビニめしで足りるじゃないかと言われればそのとおりだ。しかし、料理に関する知識はいろんな場面で必要とされるし、料理ができる男性は女性にモテる。
非料理男子でもつくれるメニュー
ところで、編集部員のAは、普段まったく包丁を握らない。親と同居していたときは食事はすべて母親がつくり、せいぜい皿洗いを手伝うくらい。1年前に1人暮らしをはじめたものの、マンションの1階がコンビニということもあり、まったく料理をしてこなかった。
「最近のコンビニは進化しているんですよね~」
ととぼけるA。Jタウンネットにグルメも扱うのに何ということか――怒った編集長がAに料理をつくるよう指令。与えた課題は「豚の角煮」だった。
角煮は九州を代表する料理の1つだ。九州農政局のウェブページ「長崎県の郷土料理、食材」には次のような解説が載っている。
「角煮はもともと中国料理で、宋代の有名な詩人、蘇東坡(そとうば)が好んだとされ東坡肉(とうぽうろう)ともいう。各家によく馴染んだ料理だけに、我が家流がある。一度に20個ほど作り、オフクロの味として、遊学中の子どもにも送られている。」
長崎だけでなく、豚の産地として有名な鹿児島でも郷土料理とされている。
砂糖の代わりに「三ツ矢サイダー」
よほどのことがない限り誰もつくれるメニューなのだが、普通に調理するのはJタウンネットの編集部員らしくない。そこで編集長が渡したのが「三ツ矢サイダーレシピ」(徳間書店)という本だった。
監修しているのは製造販売元のアサヒ飲料。冒頭に次の文章が載っている。
カレーや煮魚といった定番料理だって、サラダや漬物といった副菜だって、あら不思議!? 三ツ矢サイダーを使えば、美味しい料理が簡単にできあがるんです。
料理はつくらないけれど、炭酸はしょっちゅう飲んでいるA。新たに調理道具を買い揃える必要はなく、彼にピッタリだろうと編集長がチョイスしたのだった。
本に載っていたのは4人分だが、今回は1~2人分で十分。材料の量は次のように調整した。
- 「三ツ矢サイダー」500ミリリットル
- 「豚バラ肉」約400グラム
- 「しょうが」1かけ
- 「八角」2かけ
- 「水」500ミリリットル
- 「日本酒」200ミリリットル
- 「しょうゆ」大さじ5
調理手順は次のとおり。
●豚バラ肉を適度なサイズにカットして、鍋に入れる。普段レトルトを温めるときに使っている鍋に投入した。
●続いて肉がかぶる程度に三ツ矢サイダーを注ぐ。少し余ったサイダーは後で追加投入するので、ここで飲んでしまわないように。さらに八角としょうがを加える。ちなみにAは八角の存在を知らなかった...。
●火は弱火にして約2時間煮る。蒸発して減った分だけサイダーを足す(サイダーがなくなったら水でOK)。鍋底に肉がつかないよう、時々フタを開けてちょっと揺らす。
●2時間経ったら水分を捨てて、先ほど書いた分量の水・酒・醤油を加えて、さらに1時間煮た。
完成! うーん、悪くない感じだぞ。
早速食べてみる。砂糖を加えなくていいのか、サイダーの風味が肉に合うか心配したが、ほんのり甘いテイストで、噛むたびに肉の旨味が口の中に広がる。あちこちのサイトで調べると、三ツ矢サイダーには肉を柔らかくする効果もあるそうだ。
超簡単料理だが、つくる楽しさを覚えるにはいいかも! 「今度はちゃんと調理道具を揃えて、もっとレベルの高い料理にチャレンジしたい」。そう意気込むAだった。