滋賀県になぜか多い「西武ファン」の謎を追う
滋賀県で一番人気のプロ野球チームは――というと、多くの人は「関西圏だから、阪神タイガーズかオリックス・バファローズでは......」と想像するのではないだろうか。
ところが、Jタウンネット編集部が3月18日から27日にかけて行った都道府県別アンケートで1位になったのは、意外なことに「埼玉西武ライオンズ」だった。
西武グループの創業者・堤康次郎は、現在の滋賀県愛荘町の農家に生まれ、そこから大富豪に上り詰めた。近江鉄道は1943年、経営難に陥っていたところを、すでに成功を収めていた彼が傘下に入れたものだ。
このほかにも、琵琶湖観光船「オーミマリン」、八幡山ロープウェー、賤ヶ岳リフトなども近江鉄道グループが運営するなど、まるで西武鉄道沿線のような光景だ。
県一番ののっぽビルはプリンスホテル
県庁所在地の大津市も西武の影響力が感じられる場所の1つ。高さ133メートル、滋賀県で最も高いビルである「大津プリンスホテル」(大津市)も西武グループによって建てられた。バブルの象徴と呼ばれた赤坂プリンスホテル新館と似ているが、それもそのはず、設計者は同じ丹下健三によるものだ。
今ではセブン&アイホールディングスグループになってしまったが、同じ市内にある「西武大津店」も旧セゾングループによって1976年にオープンした。
西武グループの「ルーツ」ならではの力の入れ方と言って過言ではないだろう。
皇子山球場での開幕戦も
ライオンズ関連に話を戻せば、2011年、2012年に埼玉西武ライオンズが皇子山球場で公式戦を開催している。
2011年4月西武×楽天戦、皇子山球場(YouTubeより)
また少し足を延ばせば、滋賀県民でも案外試合を見る機会はある。年間12試合程度、京セラドームまたはほっともっと神戸で埼玉西武ライオンズ×オリックス・バファローズ戦が開催されるからだ。
こうした環境も滋賀県のライオンズファン増加に寄与しているのかもしれない。