サザエさんも、黒田官兵衛も福岡のモノ!?
黒田官兵衛は事実上の藩祖
多くの人が「サザエさん=東京」というイメージを持ち、先行して「サザエさん通り」もすでにある中、競合を恐れずに参入する――福岡のいい意味でのバイタリティ豊かさを感じさせる。
これに似てるのが、大河ドラマでおなじみの黒田官兵衛だ。
官兵衛といえば兵庫出身ということで、地元ではさまざまな形でPRに励んでいる。ところが官兵衛が晩年を過ごした福岡市でも、特設ページを作るなど「官兵衛ブーム」にあやかろうと動いている。
福岡市のウェブサイトでも、「福岡藩祖」は黒田官兵衛孝高(よしたか)となっている。黒田家が大名になったのは官兵衛の代からなのは確かだが、1600年、徳川家康から筑前国を拝領したときにはすでに官兵衛は隠居しており、普通は長政が「初代藩主」として扱われている。
福岡への関わりの深さからすると初代藩主の功績こそ当地で称えられてもよさそうだが、市の観光ページはあくまで官兵衛推し。
地域振興ではしばしば「オンリーワン」の大切さが強調されるが、あえて強敵がいるジャンルに積極的に挑んでいく福岡市の姿勢は、もっと評価されてもいいのかもしれない。