葛飾のキャプテン翼銅像がなんかアレだった

東京都葛飾区が最近、地元出身の高橋陽一さんの漫画「キャプテン翼」で町おこしを図っている。四つ木、立石エリアには、とうとう8体の銅像までできてしまった。

国内外で有名な漫画のキャラクター、しかも2次元の世界のキャラは、はたしてどう立体化されたのか。新たに完成した7体の像が公開された2014年3月16日、キャプ翼世代の記者はそれらの銅像をこの目で確かめるべく葛飾区へ向かった。

若林は...サバンナの八木！？

キャプテン翼の銅像巡礼の出発地は京成立石駅。区内有数の繁華街というだけあってにぎやかだ。

最初に向かったのは「若林源三像」。主人公大空翼の最初のライバルだった名キーパーだ。北口から徒歩3分くらいのところにある「立石みちひろば」に像はあった。奥の金属パネルはゴールネットを表現しているらしい。

ファンのお叱りは承知の上だが――顔はお笑いコンビ「サバンナ」の八木真澄さんに似ていると感じた。

次に駅の反対側、南口にある「大空翼像」へ向かった。アーケードを途中で左折し、50メートルほど歩いたところにある小さな公園「立石一丁目児童遊園」に立っている。

背景の線画が躍動感を生み、いい感じだ！　でも翼くんがベビーフェイスかも...。年齢を考えれば当たり前か。

園内にはタバコを吸ってリラックスしている成人が数名いた。銅像建立によって場の雰囲気が変わっていくことを期待したい。

今度は駅から西に600メートルほど向かった先にある渋江公園を目指した。2014年3月16日の午前、高橋先生出席のもと除幕式の会場となった場所だ。

撮影時刻は16時30分過ぎ。夕陽に照らされた「岬太郎像」はまばゆかった。先の大空翼像と似たポーズだが、小学校低学年くらいの大きさがある。

この銅像と同じく、元気よくサッカーのボールを蹴っている少年たちを多く見かけた。

紅一点「中沢早苗像」は葛飾郵便局の前に設置されていた。一瞬「学生姿でバットを振っているとは？」と勘違いしてしまったが、後ろのパネルに旗が描かれていることに気づいた。彼女はサッカー選手ではなく、観客席で応援をしているのだ。

女性の学ラン姿は意外と様になるし、早苗ちゃんの雰囲気は出ていた。ズボンがもう少しダボッとしてもよかったとは思うけれど。

そういえば女優の新垣結衣も映画「フレフレ少女」でほぼ同じ服装をしていたのを思い出した。

「ロベルト本郷と大空翼像」は、2体で1セットの銅像だ。めだかの小道と呼ばれる場所の一角にあった。そばを流れる小川は旧曳舟川を部分的に復元したものだ。

漫画やアニメのロベルト本郷はもう少し野性的だったような。できることならトレードマークであるサングラス姿のロベルトを見たかった。翼くんは少年らしさがよく出ていた。

他の銅像よりも1年早く、2013年3月に作られた「大空翼像」は四つ木つばさ公園にある。園内はボール遊びをしても大丈夫なよう、四方を緑のネットで囲んである。区の配慮に感心した。

こうしてみると翼くんのヘアスタイルはオシャレだ。

今まで見てきたキャラはどこか幼さを残しているのに対し、「四つ木公園内」の「日向小次郎像」は体格もポーズも大人びていて、一般的な銅像の要素を備えている。

他のキャラの鼻は正直低いと感じたが、日向くんのそれはリアルの人間に最も近かった。思い起こせば、漫画キャプテン翼は登場人物の鼻が小さく描かれる傾向にある。銅像製作者を悩ませたことだろう。

最後は「石崎了像」。四つ木駅のすぐ近くにある。天才ではないけれど人間味あふれるキャラに惹かれた人も多かったのでは。

これまで見てきたキャラが「クール」なら、石崎は明らかに「ホット＝熱い」。ある意味一番いい表情をしている。ただ、ヘアスタイルは一休さんみたいで、翼くんくらいの細かさはあってもよかったような...。あと、名前にちなんで石像にする選択はなかったのだろうか。

これにてプチ旅行は「了」。向かいの家のドアには、地元サッカーチーム「南葛SC」の後援会会員募集のポスターが貼ってあった。