日本中がマネしたがる「伝説のスーパー」ハローデイって知ってる?
福岡県を中心に49店舗を構える「ハローデイ」は、ローカルスーパーながら同業者からの視察が日本一多いといわれている。
その特徴は一言で言うなら、「子どもたちが喜ぶ遊園地みたいなスーパー」。店では自分たちのことを「アミューズメント・フードホール」と名乗る。各地域の特徴を活かしたテーマパーク風の内装が評判を呼び、20年近くも売上を伸ばし続けてきた。
天井にくじらが!
その象徴としてたびたび取り上げられるのが、福岡市西区にある姪浜店だ。なんと天井には、巨大なくじらのオブジェが。ほかにもアイスコーナーの上にはシロクマ、冷凍食品コーナーの上にはかわいいペンギンも飾られていて、まるで遊園地のような雰囲気。



ハローデイ姪浜店内の様子(ハローデイウェブサイトより)
2014年3月2日放送の「シルシルミシルさんデー」(テレビ朝日系)の取材に対し、広報の担当者は、これらのオブジェを設置した理由を次のように説明する。
「お店の近くに海があるものですから。ここのお店のコンセプトを海の中にしちゃいたいという遊び心でこういうディスプレイ作っちゃったんですね」
つまり店内は海の中というわけだ。
「買い物の時間も楽しく過ごしていただきたいなというのが1つと、お子様が天井を見てる間にお母様が買い物していただける」
子供連れでやってくる主婦を狙い、姪浜店に限らずハローデイの各店舗には様々なオブジェがある。そのコンセプトは店のある地域に合わせ変化を付けており、バリエーション豊かだ。

北九州空港のある北九州市小倉南区にある貫店は、天井に飛行機や空港が(ハローデイウェブサイトより)
個性的なのはオブジェだけではない。たとえば北九州市小倉北区の足原店は、超芸術的な野菜売り場が自慢の店だ。イチゴの棚は南国チックで、1個158円の「あまおう」は、カップで可愛く演出、カットフルーツはアート作品のように盛りつけされる。バナナコーナーの上には彫刻が飾られ、緑が多い癒しの空間に。ブロッコリーは森に見えるように置かれ、トマトはティーカップの中に入れてキュートな感じを醸し出している。
店のコンセプトは「都会のオアシス」。触っていいのか躊躇してしまうほどだが、もちろん全部売り物だ。客が商品を手に取って買い物かごに入れていくたび、崩れないよう常に補充しているという。

ハローデイ足原店(ブログ「結城義晴のBlog」より)
こうしたオブジェ作りや飾り付けは、店員たちが主体となって取り組んでいるという。上述の「シルシルミシル」のカメラが従業員スペースを覗くと、そこでは普段レジを打っているパートのおばちゃんたちが、レジの周りを飾る小物を作っていた。彼女たちは「みんなで話し合って作ります」「お客様に喜んでもらいたいから」と笑顔で話す。中には「この人芸術大学出身?」というくらいのスゴ腕でチョークアートを作る女性もいた。
こうしたハローデイの取り組みは、過去にも何度かテレビ番組で取り上げられてきた。2013年12月にカンブリア宮殿(テレビ東京)に登場した際、作家の村上龍さんはこんな賛辞をハローデイに贈っている。
「面白おかしいだけの「楽しさ」はやがて飽きる。だが、ハローデイが目指す「楽しさ」は、決して飽きることがない」