「建築・土木の神」加藤清正の街・熊本を歩く
肥後藩54万石の城下町として栄えた熊本市は、日本で最も南に位置する政令指定都市。熊本の礎を築いた戦国武将の加藤清正は、建築・土木の神としてお祀りされています。
西南戦争による焼失等で、城の多くの施設が失われましたが、築城当時の姿に復元するプロジェクトが進められています。田中十洋さん撮影の写真は、本丸御殿の中でも最も格調の高い「昭君の間」。これだけの建築物を一大名が築いたのは驚きです。
江戸時代に入り、熊本の治世は加藤氏から細川氏に移ります。1983年から2期熊本県知事を務めたのが、後に総理大臣を務めた細川家18代当主・細川護煕。彼が始めた事業で現在も続いているのが「くまもとアートポリス」です。
後世に残る建築物を造り、熊本を世界の情報発信基地にしようというもので、参加プロジェクトは80を超えています。Kenta Mabuchiさんが撮影した「熊本駅東口駅前広場」も、その1つ。歩行者を強い日差しから守りつつ、合間から街が見えるよう工夫されています。
Sorasi photographさんの撮影した「清和文楽館」の展示塔も、プロジェクトに参加した建物。天井は正12角形に木組みをしたユニークな構造です。
プロジェクトに参加した建物は、熊本県全体に点在しています。建築好きにとって、熊本はぜひ一度は行ってみたい場所ではないでしょうか。