【ご当地】「伊勢海老スープ」ホテルの味を再現 鍋から立ち上る香りに大コーフン
三重県の東南部、志摩地方のご当地グルメといえば、アワビや伊勢海老といった豪華な海の幸が知られている。これらの食材を用いた名物料理も確立していて、たとえば同地にある志摩観光ホテルの「伊勢海老のクリームスープ」は名高い逸品だ。
缶詰なのに簡単に食べられない?

そんなスープの缶詰が、今やありがたいことにネットで取り寄せられる。今回は「伊勢海老のクリームスープ(大缶)」(2835円、290グラム)を買ってみた。ほかに小缶(1680円)もある。
さて、このスープを口にするまでの道のりは、缶スープとしては少々長くなっている。まずは鍋に移して火にかけて、温まったところで器に移したらば、生クリームをホイップして上にのせ、オーブンやトースターで焼いて焼き色をつける。
鍋で温めていると、殻ごと刻んだ伊勢海老や小海老、濃厚なみそが溶けこんでいるというスープから、そうした海老の香り、潮の香り、バターの風味などが代わる代わる立ち上ってきて、ときには渾然として、いかにもおいしそうだ。この状態でいただいてもよいのだが、生クリームをのせて焼くことで香りは一段と活性化し、コクも増す。ホテルではそうして提供されるというのだから、ぜひそれを再現したいところである。
濃厚な海老、恍惚としながら飲み干す
実際のところは、スープを焼くときに、クリームが焦げつくのを恐れて少々早めに取り出してしまった。画竜点睛の点睛は少々、欠けていたかもしれないが、それでも絶品には違いなかった。なんと言っても、濃厚な海老の旨みがすごい。スープという料理で、海老という食材の真髄を堪能した気分になれるのである。それに生クリームやブイヨンの風味も加わって、味は海から野へとめぐり、奥深く多彩に広がる。
とにかく飲み続けて一向に飽くことがない。恍惚としながら飲み干し、しばし幸福感に浸ったあとでふと我に返ると、原稿用のメモもろくにとらずに、約2人前の量の大缶をまるごと平らげてしまったことに気づいた。しまった。どうやらこのスープには魔法がかけられていたようだ。
製造:志摩観光ホテル
サイズ:290グラム
価格:2835円