埼玉のソウルフード「うどん」 アゴが疲れる極太麺があった!
現在ワンクリック投票「うどんとそば、ラーメンのどれが一番好きですか?」を実施中です。11月1日時点では、東京ではラーメンとそばが並び、大阪ではうどんが断トツです。
地域によって結果がこれだけ違うと興味深いですね。今回は、東日本で劣勢なうどんの魅力を、埼玉在住のFさんに語ってもらいます。
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――私が住む埼玉は「朝まんじゅうに昼うどん」という言葉が昔からあるほど、うどんは県民に親しまれてきました。うどんの原材料となる麦の生産量で、埼玉は全国1位だったこともあります。
農民の日常食は麦ごはんが一般的で、地粉を使った手打ちうどんも食卓に上っていました。そのような風土を反映してか、県内にはユニークなうどんを出す店があります。
鴻巣市のご当地グルメ「こうのす川幅うどん」は、麺の幅が7~8センチもあります。厚さはなく表面はつるっとしているので、普通に食べられます。同市内で提供している10店舗には、トマトや青ノリを練り込んだ麺を出している店もあります。
お隣の桶川市の「大木うどん」は超極太の麺を出すことで有名です。幅2.5センチ・厚さ8ミリほどの太さがあり、しかも硬いです。きちんと噛まないと胃に入りません。長さも約60センチと超ロングサイズ。3本で丼がいっぱいになります。最初食べた時はアゴが筋肉痛になるかと思いましたが、汁を吸ってクセになる味です。
「大木うどん」は2013年10月31日放送の「秘密のケンミンshow」(日本テレビ系)でも紹介されました。出演者は「すすらないうどんを初めて食べた」「堅い! でも噛んでいるから甘みがある」と語っていました。
かつての埼玉は度々水害に見舞われ、昔の人は川の流れる低地を避けて台地に住んでいました。そのような環境で水は貴重だったのです。埼玉県西部の所沢では「火事が起きたら水をかけずに土をかけろ」ということわざがあったほど。このような事情が、水分をケチった硬い麺を生んだのかもしれません。