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なぜ警備員の高齢化と人手不足は止まらないのか――待遇改善とデジタル活用で変わる「安全を守る仕事」

記事配信日: 2026/08/05 23:50   提供元:BIZNEWS365

都市の治安維持や建設現場、イベント運営などに欠かせない警備業で、人手不足と従事者の高齢化が課題となっている。社会の安全を支える仕事でありながら、人材確保は年々難しくなっているという。警備会社のスワットは、隊員教育や労働環境の改善を通じ、働き続けられる職場づくりを進めている。警備業界が抱える課題について、同社の黒川智洋代表取締役に聞いた。

需要が続く一方で人が集まらない

日本国内における警備員の有効求人倍率は、全産業平均を大きく上回る高い水準で推移しているとされる。商業施設やオフィスビルの施設警備、道路工事に伴う交通誘導など、社会活動を維持するための警備需要は絶えない。それにもかかわらず、人材が集まりにくい背景には、「不規則な勤務体制」や「体力的な負担の大きさ」といったネガティブなイメージが先行している現状がある。

同社の説明によれば、警備員の社会的地位の向上や、安心して働ける環境の構築が急務であるという。ただし、警備契約を受注する際の価格競争が激しい業界構造があるため、個々の企業努力だけで業界全体の待遇を一気に引き上げるには限界もあるという構造的課題が存在する。

定着には待遇と教育の両方が必要

同社では、給与体系の見直しや福利厚生の充実に加え、未経験者を対象とした研修制度の整備を進めている。採用人数を増やすだけではなく、入社後に必要な知識や対応力を身につけ、長く働ける体制をつくることが狙いである。

警備員には、周囲の状況を確認する観察力だけでなく、来訪者への案内や緊急時の誘導、トラブル時の冷静な判断も求められる。現場ごとに状況が異なるため、法定教育に加え、実務を想定した訓練や継続的な指導が重要になる。

一方、研修の充実や待遇改善には相応の費用がかかる。人材への投資を続けながら事業を維持するには、適正な契約単価を確保できるかが課題となる。

機械警備だけでは代替できない仕事

人手不足への対応として、防犯カメラやAIによる画像解析、センサー、ドローンなどを活用する動きも広がっている。異常の検知や広範囲の監視を自動化できれば、警備員の負担軽減や配置の効率化につながる。

ただし、不審者への声掛けや災害時の避難誘導、突発的なトラブルへの対応などは、機械だけで完結することが難しい。黒川氏は、テクノロジーを人の代わりにするのではなく、人が判断や対応に集中するための補助として活用することが重要だと話す。

今後は、警備員にもカメラや通信端末、各種システムを使いこなす力が求められる。現場経験に加え、デジタル機器に関する教育も必要になり、警備員に求められる専門性はさらに高まっていくとみられる。

警備員の存在は日常の風景に溶け込んでいるが、その人材を安定して確保できなければ、施設運営や工事、イベントの実施にも影響が及ぶ。警備業を持続可能な仕事にするには、企業による待遇改善だけでなく、安全に対して適正な費用を負担するという発注側の理解も欠かせない。

【取材協力】 

株式会社スワット(https://www.s-swat.co.jp/) 
代表取締役 黒川智洋

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