新しい健康経営®の普及と健康保険組合の健全化を目指す 「健康経営アライアンス」設立のお知らせ
2023年3月10日
味の素株式会社
SCSK株式会社
オムロン株式会社
キリンホールディングス株式会社
株式会社島津製作所
株式会社JMDC
日本生命保険相互会社
株式会社三井住友銀行
新しい健康経営®の普及と健康保険組合の健全化を目指す 「健康経営アライアンス」設立のお知らせ
味の素株式会社(取締役 代表執行役社長 最高経営責任者:藤江太郎)、SCSK株式会社(代表取締役
執行役員 社長:當麻 隆昭)、オムロン株式会社(代表取締役社長CEO:山田義仁)、キリンホールディングス株式会社(代表取締役社長:磯崎功典)、株式会社島津製作所(代表取締役社長:山本靖則)、株式会社JMDC(代表取締役社長:松島陽介)、日本生命保険相互会社(代表取締役社長 社長執行役員:清水博)、株式会社三井住友銀行(頭取CEO:髙島誠)(50音順)は、2023年6月に「健康経営アライアンス」を設立いたします。
人生100年時代を迎え、長く働き続けられる社会が実現に向かう一方で、日本の産業界は、「社員の健康増進」、「健康保険組合の財政の健全化」、「医療費抑制への貢献」の課題に直面しています。このような状況の中で健康経営の推進は、企業の生産性向上や医療費の適正化のみならず、社員を企業の財産ととらえる人的資本経営の実践においても重要な経営課題となっています。また、世界における日本産業界全体の競争力を高めることにもつながります。こうした社会課題解決に向け、業界を超えた8社が健康社会の実現を目指して結集し、アライアンスを設立することとなりました。
本アライアンスでは、「健康経営の型づくりと成果創出のためのソリューションの共創および産業界への実装」を実現します。そのアプローチとして、健康経営を実践する企業とソリューションを提供する企業の叡智を集結させます。具体的には、ヘルスケアデータを活用し、社員の生活習慣病由来の脳・心血管疾患や腎疾患、メンタル不調といった重症化の予測ができる疾病リスクの対処に取り組みます。また、ヘルスケアデータを活用した社員の健康の維持・増進を、アライアンス参画企業が自ら実践しフィードバックするとともに、各社の健康経営に関する製品・サービスをアライアンス内で導入し、新たな開発・実証も行います。モデルケースとなる成功事例は、アライアンス外にも展開し、アカデミアや省庁とも連携しながら社会実装・海外展開を目指します。
【企業が取り組むべき課題】
人生100年時代と言われるいま、日本産業界が向き合うべき3つの課題があると考えます。
①社員の健康増進
日本の高血圧有病者は4300万人いると推定され、そのうち未治療者は43%*¹です。また、厚生労働省によると、2020年~21年の間にメンタル不調による休退職者がいた事業所の割合は10.1%*²で、前年と比べ、約1ポイントの増加傾向にあります。社員が長く働き続けられる社会へと変化する中、リスクの予測・予防ができる疾病での長期休職や退職、医療費高騰は、多くの企業が抱える課題といえます。
*1オムロンヘルスケア調べ(出典)、*2厚生労働省の2021年「労働安全衛生調査(実態調査)」(出典)
② 健康保険組合の財政の健全化
健康保険組合連合会によると、高齢者への拠出の増加などを背景に、健康保険組合1388の内740組合(53%)が令和3年度は赤字決算となり、全体では825億円の赤字と推定されます。*³ 保険料率が、主に中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の平均保険料率10%を超えると、企業健康険組合の存続の利点が薄れますが、既に全体の約2割(300組合ほど)が10%と同等かそれ以上の料率となり、健康保険組合の財政は健全とは言えません。
*3令和3年度健康保険組合 決算見込状況について
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202303103801-O3-VHZi8pto】
②医療費抑制への貢献
日本の医療費はひっ迫しており、医療給付費は2021年度の約46兆円から2025年には、約55兆円に達する見込み*⁴です。企業健康保険組合の健全化に取り組むことが、ひいては急増する国家の医療給付費の抑制につながると期待されます。
*4 財務省 社会保障等(参考資料)「医療費の動向」(出典)
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202303103801-O4-Vp5569xa】
【ヘルスケアデータを活用する健康経営】
JMDCのデータによると、健康診断受診者の80%が何らかの健康課題を有しています。年齢にかかわらず長く健康に働き続けられる社会の実現に向け、企業全体の健康経営の実践を底上げするとともに、健康増進・重症化予防に必要なソリューションの開発・社会実装に取り組んでいきます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202303103801-O5-c3e2d71Z】
【「健康経営アライアンス」の運営と参画企業の募集】
2023年度中に300社の参画を目指します。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102197/202303103801/_prw_OT1fl_5FsRC7k1.png】
【代表幹事会社代表コメント(50音順)】
味の素株式会社 取締役 代表執行役社長 最高経営責任者 藤江太郎
味の素株式会社は、「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」を“志“(パーパス)としています。今回のアライアンスは”志”を共にする取り組みだと考えています。当社は、食事、運動、睡眠の3つの分野でWell-beingに繋がる製品やサービスをもっており、日本を「職域健康世界一の国」とするべく、参加企業様へのソリューション提供に食とヘルスケアの分野で貢献していきます。
SCSK株式会社 代表取締役 執行役員 社長 當麻隆昭
SCSK株式会社は、ITサービス企業であり、「人」が中心の会社です。成長の原動力である「人」を資本と捉え、健康を土台とする「健康経営」を過去10年に渡り実践してきました。そのノウハウ・知見をもとに、本アライアンスでは健康経営の型づくりの実現に貢献して参りたいと考えております。本アライアンスにより、多くの企業の叡智を集結し、健康経営のムーブメントを起こすことができると信じています。
オムロン株式会社 代表取締役社長CEO 山田義仁
オムロン株式会社は、長期ビジョン「Shaping the Future2030」の中で取り組む社会的課題に「健康寿命の延伸」を掲げています。健康経営アライアンスを通じ、株式会社JMDCが保有するレセプト・健診などの医療データと当社が保有する日常生活下の血圧・バイタル・活動データなどを組合せ、社員の健康の維持増進、重症化予防に取り組みます。その成果を参画企業と共有することで「人的資本による価値創出」と「企業健康保険組合の持続可能性」の実現に貢献して参ります。
キリンホールディングス株式会社 代表取締役社長 磯崎功典
キリングループは、世界のCSV先進企業を目指し、食領域、医領域、ヘルスサイエンス領域で事業を展開しています。本アライアンスは、企業の競争優位の源泉である“人財価値”を持続的に向上させる上で重要な取り組みであり、参画を通じて健康経営を一層推進します。また、さまざまな素材・ソリューション提供を通じて、ひとりひとりの生きるよろこびと、心豊かな生活の実現に貢献し、人生100年時代の健幸ライフスタイルパートナーとなることを目指します。
株式会社島津製作所 代表取締役社長 山本靖則
株式会社島津製作所は、1992年に経営理念として「『人と地球の健康』への願いを実現する」を掲げ、健康経営と人の健康に関わる事業の両輪を展開してきました。特に現在は、生活習慣病や軽度不調など、未病状態の診断法確立に取り組んでいます。この健康経営アライアンスの理念は、当社の健康経営および事業への取り組みに合致するものです。また、健康経営として取り組んでいる、「自社の技術・製品・サービスの社員とその家族への還元」は、アライアンスの活動においても貢献できると考えています。
株式会社JMDC 代表取締役社長 松島陽介
株式会社JMDCは、企業理念として、「健康で豊かな人生をすべての人に」を掲げ、医療・ヘルスケア分野において取りざたされている様々な社会課題の解決に、データとICTの力で取り組むことで、持続可能なヘルスケアシステムの実現を目指しております。本アライアンスを通じて、資本業務提携を結ぶオムロンとも連携し、300以上の健康保険組合様と一緒に培ってきたノウハウやデータを用いて企業の健康経営の標準となるデータ分析手法や健康改善ソリューションを創出していきます。
日本生命保険相互会社 代表取締役社長 社長執行役員 清水博
「人生100年時代」を迎え、当社は、健康長寿社会の実現に貢献することを、中期経営計画の柱の一つに掲げ、「リスクに備える」保険の提供に加えて、「リスクを軽減する」ヘルスケアサービスの強化に取り組んでおります。その一つとして、団体様向けに「ニッセイ健康増進コンサルティングサービス(Wellness-Star☆)」をご提供し、一部のソリューションでオムロン様とご一緒しております。本アライアンスへの参画と、参画企業の皆さまとの議論を通じ、当社だけでは実現できない新たな価値を創造し、誰もが心身豊かに、快適に暮らす健康長寿社会の実現に貢献してまいります。
株式会社三井住友銀行 頭取CEO 髙島誠
株式会社三井住友銀行では、あらゆるステークホルダーと共に持続的に成長し、より良い未来を創ることを目指して、その原動力となる従業員一人ひとりの心身の健康を「経営課題」と捉え、経営がコミットしています。人事担当役員が務めるCHOの旗振りのもと、人事部・健康サポートセンター・健康保険組合が三位一体となり、ワーキンググループを組成していますが、1社単独での取組には限界があります。従来の概念に囚われず、データを活用した健康経営の実践という共通課題に業界横断で向き合い、社会課題の解決に寄与できるよう努めてまいります。
【その他、参画企業11社】(50音順)
SMBC日興証券株式会社
KOA株式会社
住友ファーマ株式会社
TDK株式会社
野村證券株式会社
株式会社野村総合研究所
株式会社みずほフィナンシャルグループ
株式会社ミツバ
株式会社三菱総合研究所
株式会社三菱UFJ銀行
株式会社メンタルヘルステクノロジーズ
【協力】
東京大学未来ビジョン研究センター データヘルス研究ユニット
古井 祐司 特任教授
同 井出 博生 特任准教授
「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。