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ギリアド、年2回投与のHIV治療併用レジメンとして開発中の lenacapavirと広域中和抗体の概念実証データ発表

2023.03.07 15:00

2023年3月7日
ギリアド・サイエンシズ株式会社

ギリアド、年2回投与のHIV治療併用レジメンとして開発中の lenacapavirと広域中和抗体について、肯定的な概念実証データを発表
―lenacapavirとHIVに対する広域中和抗体のteropavimab およびzinlirvimabとの併用療法の可能性を示す― ―長時間作用型のHIV治療選択肢として開発中の併用療法について、 第II相試験でのさらなる評価を支持―

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ、ナスダック:GILD、以下「ギリアド」)は2月22日、lenacapavirについて、年2回投与の長時間作用型治療レジメンとして、広域中和抗体(bNAb)のteropavimabおよびzinlirvimabとの併用を評価したデータを発表しました。第Ib相臨床試験では、ウイルス学的に抑制された特定のHIV陽性者において、開発中の併用療法の忍容性はおおむね良好で、有効性も高いことが示されました。これらのデータは、第30回レトロウイルス・日和見感染症会議(CROI)で発表されました。

治験責任医師で、ノースカロライナ大学医学部感染症学部長のジョセフ・イーロン(Dr. Joseph Eron, MD)は次のように述べています。「新しい長時間作用型のHIV治療選択肢により、治療は次章へと進み、HIVとともに生きる人々の治療ニーズと嗜好が満たされる可能性があります。本試験において、lenacapavirとbNAbの併用療法が、将来のHIV治療に重要な役割を果たす可能性があることが分かりました。ウイルスとともに生きる人々のサポートに尽力する臨床医として、年2回投与の長時間作用型HIV治療選択肢である併用レジメンの評価が今後も継続することを期待しています」

本試験では、抗レトロウイルス療法(ART)を受け、2年以上ウイルス学的に抑制された(HIV-1 RNA <50 copies/mL)特定の成人HIV陽性者を対象に、lenacapavir + teropavimab + zinlirvimabを併用した際の安全性および有効性プロファイルを評価しました。被験者(n=20)は、HIVプロウイルスDNA表現型により両bNAbに感受性を示し、試験登録時のCD4細胞数は500以上で、年齢の中央値は44歳でした(女性14%、黒人14%、アジア系14%、ヒスパニック/ラテン系33%)。

本試験における被験者は2つの実薬投与群に1:1の割合で無作為に割り付けられ、teropavimabおよびzinlirvimabの用量は体重に基づいて決定されました。2つの群では、それぞれベースライン時のARTを、lenacapavir(経口薬投与後に927 mgを皮下投与)+ teropavimab(体重1 kgにつき30 mgを静脈内投与)+ zinlirvimab(グループ1:体重1 kgにつき10 mgを静脈内投与、グループ2:体重1 kgにつき30 mgを静脈内投与)に切り替えられました。

26週時で、試験レジメンを全て完了した被験者の90%(n=18/20)において、ウイルス学的抑制(HIV-1 RNA ≤50 copies/mL)が維持されました。1名の被験者において、12週目に試験が中止されましたが、中止時点におけるウイルス抑制(HIV-1 RNA <50 copies/mL)が確認されました。1名の被験者で、16週目にウイルス学的リバウンドが確認され、その後ベースラインの経口ARTで再抑制されました。グレード4または5の有害事象を含む、重篤な有害事象(AE)や、治験薬の投与中止に至るAEは認められませんでした。2名の被験者にグレード3のAEが発現し、1名は注射部位蜂巣炎、もう1名は注射部位紅斑でした。

ギリアドのHIV臨床開発部門バイスプレジデントのジャレッド・バーテン(Jared Baeten, MD, PhD)は次のように述べています。「私たちは、lenacapavirが併用療法による長時間作用型のHIV治療選択肢として基本薬となる可能性を強固にする、これらの有望な結果を発表できたこと、特に、6カ月に1回投与のlenacapavirとbNAbとの併用の可能性が認められたことを大変うれしく思います。また、HIVとともに生きる全ての人々に届く可能性のある新たな治療法の研究に取り組み、人々の多様な生活に合った人中心のHIV治療選択肢を開発することに注力し、世界の全ての人のためにHIVが終息することを追求し続けます」

lenacapavirとteropavimabおよびzinlirvimabとの併用療法については、今年後半に、ウイルス学的に抑制されたHIV陽性者を対象とした第II相臨床試験(NCT05729568)を開始します。本試験では、bNAbの2つの異なる投与量を評価し、長期的に追跡した被験者を対象に、試験レジメンの複数の投与量について、安全性および有効性を評価する予定です。詳細については、https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05729568を参照してください。

lenacapavirは、将来のHIV治療における基本薬として開発されており、他の抗レトロウイルス薬との併用療法、または予防のための単剤療法として、個々の患者ニーズおよび嗜好への一助となる、長時間作用型経口薬および注射薬ともに複数の投与頻度のある選択肢の提供を目標としています。lenacapavirは、ギリアドの予防および治療研究プログラムにおける複数の進行中および計画中の、初期ならびに後期臨床試験において、長時間作用型の選択肢として評価されています。

lenacapavirは、単独あるいは併用での使用について、米国、英国、カナダ、EU以外の規制当局からは承認を受けていません。

lenacapavirの米国における適応や重要な安全性情報については、以下をご参照ください。

teropavimab(GS-5423)およびzinlirvimab(GS-2872)は治験中の化合物であり、米国食品医薬品局またはその他の規制当局から使用の承認を受けていません。これらの化合物とlenacapavirとの併用は研究段階であり、安全性および有効性は不明です。

HIVまたはエイズを治癒する方法は、現在のところ存在しません。

lenacapavirについて
lenacapavir(300 mg錠剤および463.5 mg/1.5 mL注射剤)は、ファースト・イン・クラスの長時間作用型HIVカプシド阻害剤で、他の抗レトロウイルス薬との併用により、複数の治療歴があり、多剤耐性を有するHIV陽性者に対するHIV治療薬として、米国、英国、カナダ、EUで承認されています。lenacapavir錠は、lenacapavirによる治療開始時の経口負荷投与法として承認されています。投与のタイミングは、治療開始時に、初回の長時間作用型lenacapavir注射前または投与時のいずれかを選択します。lenacapavirは唯一の、年2回投与によるHIV治療選択肢となります。

lenacapavirの活性薬剤にみられる複数の過程における作用機序は、現在承認されている他の抗ウイルス薬剤クラスと異なります。ほとんどの抗ウイルス薬はウイルス複製の1段階のみに作用するのに対し、lenacapavirは、HIVのライフサイクルにおける複数の段階を阻害するよう開発されており、現在ある薬剤クラスとの交差耐性は認められていません。

米国におけるlenacapavirの適応について
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)カプシド阻害薬であるlenacapavirは、他の抗レトロウイルス薬との併用で、耐性、忍容性あるいは安全性に配慮すると、現行の抗レトロウイルスレジメンがうまくいかない、複数の治療歴があり、多剤耐性を有する成人HIV-1陽性者におけるHIV-1感染症治療が適応とされています。

米国におけるlenacapavirに関する重要な安全性情報
禁忌
・併用投与:lenacapavirを強力なCYP3A誘導剤と併用しないでください。

警告および使用上の注意
・抗レトロウイルス(ARV)併用療法を受けた患者において、発現までの期間が変わりやすい自己免疫疾患の発現を含む免疫再構築症候群が報告されています。
・lenacapavirの長時間作用型特性および潜在的な関連リスク:患者の体循環において、lenacapavirの在留濃度が最長12カ月以上持続する可能性があります。注射剤最終投与後9カ月以内に投与を開始した場合、主にCYP3Aにより代謝される薬剤の曝露量が増加し、副作用のリスクが高まる可能性があります。服薬不遵守はウイルス学的反応の消失および耐性発現につながる可能性があるため、投与スケジュールについて、患者に助言してください。ウイルス学的失敗が生じた場合は、可能であれば、代替レジメンに切り替えてください。lenacapavirの投与を中止する場合は、注射剤最終投与から28週間以内に代替のARV抑制レジメンを開始してください。
・注射部位反応が生じたり、結節および硬結が持続したりすることがあります。

副作用
・主な副作用(全グレードで発現率3%以上)は、注射部位反応(65%)および悪心(4%)でした。

薬物相互作用
・処方情報:禁忌、警告および臨床的見解を含む重大な薬物相互作用の可能性に関する詳細情報については、lenacapavirの完全な処方情報を参照してください。
・酵素/トランスポーター:強力または中程度のCYP3A誘導剤は、lenacapavirの成分濃度を大幅に低下させる可能性があります。また、CYP3A、P-gpおよびUGT1A1を強力に阻害する薬剤は、lenacapavirの成分濃度を著しく上昇させる可能性があります。lenacapavir注射剤の最終投与後9カ月以内に主にCYP3Aにより代謝される薬剤の投与を開始した場合、その薬剤の曝露量が増加し、副作用のリスクが高まる可能性があります。

用法および用量
・用法・用量:2つのオプションのいずれかで投与を開始し、その後は6カ月に1回、維持投与を行ってください。錠剤は食事の有無にかかわらず服用可能です。
・開始時オプション1: 1日目:927 mgを皮下注射および600 mg(300 mg錠×2)を経口投与。2日目:600 mg(300 mg錠×2)を経口投与
・開始時オプション2:1日目:600 mg(300 mg錠×2)を経口投与。2日目:600 mg(300 mg錠×2)を経口投与。8日目:300 mg(300 mg錠×1)を経口投与。15日目:927 mgを皮下注射
・維持療法期:927 mgを注射剤最終投与日から26週±2週ごとに皮下注射
・投与忘れ:維持療法期中に、注射剤最終投与日から28週を越えてしまったが、lenacapavirによる治療継続が臨床的に適切であると判断した場合は、オプション1またはオプション2の1日目から開始時の用法・用量で投与を再開してください。

妊婦および授乳婦への投与
・妊婦:妊娠中におけるlenacapavirの使用に関するヒトを対象としたデータが不足しています。抗レトロウイルス妊婦レジストリ(Antiretroviral Pregnancy Registry、APR)は確立されています。
・授乳婦:HIV-1 に感染した女性は HIV-1 を伝播する可能性があるため、授乳をしないよう
に指示してください。

ギリアド・サイエンシズについて
ギリアド・サイエンシズは、全ての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社は、生命を脅かす疾患の予防と治療、およびウイルス性疾患、オンコロジー、炎症領域におけるアンメットニーズの解消に向けて、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。

ギリアドは35年にわたり、HIV領域におけるリーディング・カンパニーとして、治療、予防、治癒研究の進歩を推進してきました。ギリアドの研究者たちは、HIV治療における最初の単一錠剤レジメンや、HIV感染リスクを減らすための初めての曝露前予防(PrEP)となる抗レトロウイルス薬、さらには初の年2回投与の長時間作用型注射剤となるHIV治療薬など、12種類のHIV治療薬を開発してきました。こうした医学研究の進歩により、HIVは何百万人もの人々にとって予防可能な慢性疾患となりました。

世界中のHIV感染者の日々変化するニーズに対応するソリューションを提供するため、ギリアドは引き続き科学的イノベーションに取り組んでいます。また、パートナーシップと連携を通じて、教育の改善、医療へのアクセス拡大および障壁を取り除き、世界中の全ての人々のHIV感染の根絶を目指します。ギリアドは、「AIDSに関わる資金提供基金」(Funders Concerned About AIDS, FCAA)が発表した報告書において、HIV関連プログラムの慈善資金提供団体として第1位に認定されました。

ギリアドは、カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を展開しています。

ギリアドの将来予測に関する記述
本プレスリリースは、1995年の 「米国証券訴訟改革法」に記載されている「将来予測に関する記述」に該当し、いくつかのリスク、不確実性などの要素を含む場合があります。これには、現在見込まれているタイムライン内に治験や臨床試験を開始、進行、完了するギリアドの能力、またはそれらが全く完了できないリスク、lenacapavir、teropavimabおよびzinlirvimabに関するものを含め、現在進行中および追加の治験や臨床試験で結果が好ましくない可能性、規制当局への承認申請および関連する申請や承認のタイムラインに関連する不確実性、たとえ規制当局から承認を得たとしても、その使用に関して重大な制約が課されるリスク、および上述のいずれかの背景となる前提などがあります。これらのリスクとその他のリスク、不確実性、要因等については、米国証券取引委員会に提出済の2022年9月30日を期末とする四半期報告書(フォーム10-Q)に詳細が記載されています。これらのリスクや不確実性、およびその他の要因により、実際の結果が「将来予測に関する記述」と著しく異なったものとなる可能性があります。歴史的事実以外の全ての記述は「将来予測に関する記述」とみなされる可能性があります。このような「将来予測に関する記述」は将来の業績を保証するものではなく、「将来予測に関する記述」に過度に依拠することのないようご注意ください。「将来予測に関する記述」は全て、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは「将来予測に関する記述」を更新する義務を負うことはなく、更新する意向もありません。

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